hkさんのコメント: 更新順
アウトレイジ(2010/日) | 娯楽的教育番組 [review] | [投票] | |
スカイ・クロラ(2008/日) | 普通の人生を営む周りの人々との対比を通じて、永劫回帰的な生を営む主人公たちの存在に対する苦悩(自己同一性の揺らぎ)を純化した形で描き出している。設定としても面白いし、メッセージ性も強かったのではないか(伝わるかどうかは別として)。 | [投票(2)] | |
殯の森(2007/日=仏) | お墓の在り方、生の実感、介護の在り方、人生観などといったテーマが、「喪の作業」の物語を土台として、シンプルかつ直球勝負で提議されている。今作は、従来の追体験型・解答捻出型映画ではなく、参考事例型・思想提示型映画である。 [review] | [投票] | |
エディット・ピアフ 愛の讃歌(2007/仏=英=チェコ) | 主演女優の演技は素晴らしかったが、構成や演出の面で難があり、ピアフの真の愛の深さや人間性を十全に表現できていたかに関しては疑問の余地がある。それでも、彼女の波乱の人生と圧倒的な歌声は一見の価値があるだろう。 | [投票(1)] | |
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007/日) | この映画には人間の「痛み」がない。よって、その痛みを肯定する「愛」も存在しない。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」と、制作サイドに言ってやりたくなる映画。 [review] | [投票(7)] | |
大日本人(2007/日) | 『バベル』なんかより切実な相互理解の断絶。意味の漂白化後に残る微かな哀愁。情けなくもいとおしいマイノリティー。なかなか理解されない大日本人松本のプロトタイプ。 [review] | [投票(15)] | |
監督・ばんざい!(2007/日) | もはや誰も笑わない。もしくは、一人笑い続けるしかない。元来た道に引き返すか、突き抜けるかは私たち自身の問題である。(6/13追記) [review] | [投票(6)] | |
300 スリーハンドレッド(2007/米) | 男性ホルモン大放出で脳髄が笑い出すイカレ映画かと思いきや、むしろ理性的過ぎるぐらいに見えたレオニダスの策略の深さにスパルタ王の威厳を感じ取るスマートな映画でしたよ。 [review] | [投票(1)] | |
嫌われ松子の一生(2006/日) | 「狂おしいほど愛しい存在」であるはずの松子が、華麗な演出により「幼稚で憐れな存在」に成り下がってしまった哀しい映画。マイナーな題材をメジャー形式で描くことの残酷さ。この監督は、ある意味、松子に興味がない。 | [投票(3)] | |
TAKESHIS’(2005/日) | ダメな内容であるが故に価値のある映画。卑小な生、卑小な現実、卑小な悪夢。それは私たち自身のもの。 [review] | [投票(4)] | |
カップルズ(1996/台湾) | 「バカと悪党」が二極化する経済成長真っ只中の台北。そこに暮らす人達の心情は多感な少年達の生き様に先鋭化した形で表われる。「バカと悪党」に還元されない「何か」を失いつつある現代人の姿をピュアなエンターテイメントとして描くヤンの映画人としての倫理に敬服。 | [投票] | |
戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド) | ポランスキーの原点であり終着点。良くも悪くも感想を述べることが私たちの倫理である。 [review] | [投票] | |
ローズマリーの赤ちゃん(1968/米) | やつれた小さな妊婦の姿が脳裏に焼き付く。観る者の心理を多重に揺さぶる演出、ファローの気の触れた演技が秀逸。 | [投票(2)] | |
水の中のナイフ(1962/ポーランド) | 2(海・船)×3人の組み合わせを網羅したシチュエーションで綿密に心理描写をしていた点が律儀で素晴らしい。ナイフの不気味さ、海の白々しさが独特の雰囲気を醸し出す映画。 | [投票] | |
袋小路(1966/英) | 古城の不気味さは演出不足でコメディはくどくて役者は紋切り型。でも何かが引っかかる。演出の奇妙なズレ具合や時折現れる物語を逸脱した映画的ショット。人間の営為など簡単に漂白してしまいそうな広大な自然の中で焦点を結ぶことのできないサスペンス。どこか変なポランスキー。 | [投票] | |
ヌーヴェルヴァーグ(1990/スイス=仏) | 哀愁と仄かな希望。斜陽と陽光。萎びた華麗さ。緑のざわめき、月光の揺らめき、川面の煌めき。手を取り合うこと。 | [投票] | |
ゴダールの探偵(1985/仏) | 人生とは散漫で交錯した音楽のようであり、詩のようであり、モンタージュのようである。それが男と女の物語であれば、なおさらだ。カットのそれぞれがそれ自体で十全な価値を有し、時間の重みを感じさせる。どこからでも始められるし、どこで終わることも可能だ。 | [投票] | |
小さな兵隊(1960/仏) | 疲労と焦燥。ディスコミュニケーション。やや感傷的な世界観だが淡白な表現を積み重ねることでゴダールにしては気持ち悪いぐらい小奇麗にまとまっている。演出と配役に難があったせいか、イメージが平坦過ぎて心に残るシーンがなかったのが残念。 | [投票] | |
ベトナムから遠く離れて(1967/仏) | 何よりもまず、この映画を制作する為に集まった監督陣の行動力に敬意。物足りなさも感じるが、それぞれの倫理・表現法をもってして世紀の歴史的事件をフィルムに焼き付けた、そのこと自体に意味がある。 | [投票] | |
メイド・イン・U.S.A.(1966/仏) | 監督の真意は知らないが、下らないハリウッド映画以上に脳のしわが伸びていくのを感じた。思考停止の極北としての価値を評価する。 | [投票(1)] |