チャン・ツィイーは確かに美しい。 決して、物凄い美人ではないのに、 それらを上回る魅力を醸し出している。 特に彼女の表情による演技は素晴らしい。 ・・・称賛できるのは以上。

基本的にロードムービーや、こういったテンポの作品は 合わないため、退屈極まりなかった。

初恋とか、純粋な心とか、言いたいことはなんとなくわかるし、 そんな気持ちを大なり小なり回想させるのは確か。

だけれど、私はこういうの嫌い。

彼女の魅力を最大限にアピールすることが 映画の完成度を高めることだから仕方ないけど、 なんだかなー。

だって、主演の子が好感の持てない女優だったら 「それ、ちょっと重いよ」とかなっちゃうわけでしょう？

そして、純粋に愛を捧げている女をつかまえて、 ただ好きになれないだけで、 「お前の気持ちは重いんだよ」 みたいなノリで、異性を振ったりしちゃう人が これに泣けるっていうのがね、うーん、不思議でたまらない。

恋をしている女の子は何割増も可愛くなるし、 他人の純粋な愛とか、片思いとかって 見ているだけで、聞いているだけで、微笑ましい。 けど、それはあくまで傍観者だからであって、 当事者だったら、好きになれない相手に対してそうは思えない。 だから、単なる理想じゃんか、それ、とか思ってしまう。

たぶん、この作品好きな人って 「八月のクリスマス」や「遠い空の向こうに」なんかを 見ても高評価なんじゃないのかな？

私はやっぱエンターテイメント性が無いと、 例え、いい話でも映画としてはダメみたい。 泣けなかったのは勿論のこと、 本作に感動する人がどこらへんで泣いたのかも想像つかないっすー。

そうなっちゃうと、やっぱり、 「リトルダンサー」も近しい匂いがするのだけれど、 私には向いてないのかしら？