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[コメント] 冷静と情熱のあいだ(2001/日)

ビデオ化されてから小説を読んでからビデオを見た。小説はつまらなかったから期待してなかったのに・・・
tomomi

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なんでこんなにつまらない小説が売れるの? しかも、映画化まで??

と、全く理解不能でした。

でも、「風花」も、ビデオを見た方が先だったけど、 映画に感動して本を買ったらかなり面白くなくて、 なんでこんな面白くない題材に目を付けたのだろう? なんでこんなにも面白くなかったのに映画ではこんなに感動できたんだろう? と、とても不思議だった。 大抵、映画は原作を超えない、という声はよく耳にしていたから。

で、そんな経験をしたことのあった私は、 「このつまらない本を映画にしたらどうなる?」 という興味本位でレンタル。

ところが、本を読んでいる間、殆ど心を動かされることなく、 増してやどこで泣くのかさえも想像できなかったほどなのに、 映画を見たら2度も涙を流してしまいました。

本で共感できなかった「あおい」と「順正」。 少しだけ共感できた。 本では主役ではないから心情描写の薄い「マーヴ」と「芽美」。 映像化されることで、彼等の心も描かれて、 同時に彼等の辛さに心を持っていかれて泣けた。 特に篠原の演技は良かった。 篠原が懸命に演じているのに、寄らずに引いて撮っているせいで、 篠原の表情が映し出されていないことには腹立たしささえ感じた。

本を読んでいる時点で、「あおい」=ケリー・チャン、 「順正」=竹之内っていう設定は雰囲気としては合ってる気がした。

実際、作品を見ても、雰囲気だけは合っていた。 けれど、竹之内のナレーションはいまいちだし、 ケリー・チャンの無理な日本語も、帰国子女という設定にしてるにしても、 やはり、作品への感情移入を白けさせるものではあった。 なぜ東洋人なのに「マーヴ」という名前なのかも、疑問だったし。 カメラワークにしても、先述したけれど、 「原作の雰囲気をここまで出したよ。見てよ、このインテリア」 みたいな風に伝わっちゃって、 役者に失礼くないか?って思ったりもした。

ただ、走ってるとかならいいけど、 一生懸命演技してる大事なとこなのに、 主役以外ぼかす、とか、表情を撮らずに情景だけを撮るっていうのはどうかと思う。

才能のある監督だとは思ったけど、 切り絵的な、表面的な描写はもう少し掘り下げれなかったか、と残念だ。 ミニシアター系の監督たちなんてみんなそんなもんだから、 そういう種類の人だと思えばいいのかもしれないけれど。

このように、不満もかなりある作品だったが、 豊満なイタリア女のはずの芽美を篠原がやっても違和感を感じなく受け入れられたり、他にも、不満を補うそれなりのものも多くあった。

amazonのレビューで本★1と★2をつけたけど、 映画には★4。

(評価:★4)

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