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[コメント] 12人のパパ(2003/米)

大甘の★4つ。作品自体に大枠はあるけど細部は未解決や描写が足りなく、フランスなどのキッズ映画ほどシニカルな視点も薄い。けれどバランスはそれなりにとられており、最後まで観れはする。DVD特典映像を観てたら重要な2シーンをカットしていて驚いた。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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何も考えずに気楽にボケーッと観るには最適だが、何か歯ごたえのある作品や抱腹絶倒の作品レベルには達しておらず。そもそもマーティンの笑いの比率も押さえられがち。期待したブラックな笑いも見当たらずファミリームービーというよりもキッズムービーの領域。子役たちも12人は流石に多すぎて、しかも後半に年齢差が詰まりがちなので男女一人づつは確実に減らしても影響は出まい。カッチャー一人が、おバカ担当なのも物足りない。せっかく小さな兄弟が多いのだからペラーボヒラリーらには、めちゃくちゃになって欲しかった。演技で好演していたのはハント。バランスの良い母親像を(特に前半)で演じきっていた。

気になったのは長男ウェリングのフットボールでの迷いや、同級生たちとの関係を チラホラ見せつつ最終的に描写不足で曖昧な点。もう少し、突っ込んで欲しかった。これなら日本のTVでたまぁ〜にやってる大家族スペシャルのドキュメンタリーの方がリアルで、ドラマチック。父親がスポットの当たらないプレーヤーだったことを一枚の写真で知るシーンのショットはカットすべきでは無かった。あれが無いと親子のシーンが唐突すぎる。

もう一つカットしてしまって失敗したショットは隣家の少年の誕生日パーティーで過保護に育てられた少年が、忍び込んだマーティンの子供たちの息子の一人とフットボールで遊んでいて笑うシーン。それを遠くで見ていた隣家の主人が初めて心から笑う息子の笑顔に心を突かれるシーンは重要だった!。それが、あるからこそ、後半にマークが家出した際に、捜査の手伝いに難色をしめす妻を無視し、すぐに飛び出す隣人亭主とその息子の姿が感動を呼ぶのに!!。

激しい笑いや、鋭い視点や、斬新なアイディアなどは特に無いものの、結局、家族の絆と兄弟の素晴らしさは観賞後に胸に残る。12人は要らないが5人兄弟くらいは楽しそうだなぁと思える作品ではある。哲学的な犬の表情の演技がアクセントが効いている。

(評価:★4)

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