ラスト近く、めでたしめでたしのカーク達を人知れずそっと見守り、スポックが「スラスター（ロケットエンジン）全開だ・・・」と呟く。

あ、演出過剰だ。ここまでよかったのにやり過ぎ！ と思った。 （きっとこの後エンタープライズ発進シーンで、若い方の彼が、同じ台詞をぎこちなく硬い声で「スラスター全開だ」とやるんだ、なんて思ったら違ってた；）

たしかに、あのスポックの成長ぶりは感激ものだった。 あのスポックが。 いつも必死に何かを抑え、自分に無理を強いながら、ある意味精一杯強がってたコチコチの彼が・・・ こんなにも包容力と暖かいウィットを持った生命体に成長したのかと感激した。 （とっさにカークが逃げ込んだ穴に、偶然彼が・・・という御都合主義もあったけど）

それにしても、あの台詞はやりすぎだと観た当時は思ったけど、時間を置くと違う気にもなりました。

それほどまで、彼は、エンタープライズにまた乗りたかった。 昔の仲間たちと共に、無限の宇宙を超ワープで航行したかったのだと思う。 でも、今の彼は、あえて一歩下がって彼等を見守るだけ。 かつて自分がいた場所には、若い気力に満ちあふれた我が息子・・・じゃなくて、実は息子以上にもっと身近な（笑）というとこがいかにも「宇宙大作戦」で好きです。

（余談というかアラ探し）

でも、このままだと、オリジナルＴＶシリーズ通りにはいけないとこが数々あるなあ。 例えば「死の楽園」の後半、カークはスポックを怒らせる作戦が使えなくなった（笑）

カーク「お前の頭には電線がつまってるだけだろー！」

スポック「またですか？船長」