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[コメント] スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013/米)

オリジナルを咀嚼の上で、その「濃厚化」に挑戦している気がする。カークはオリジナルより暴走性?が格段にアップしてるし(よく逮捕されないなあ)、それとは離れた部分でも、スコッティやチェコフの三枚目化がgood。
YO--CHAN

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本作には、”カーンの難波節”みたいなものを期待していた。「戦うための道具」として作られた哀しさや、300年経った今、そんな自分が「害毒」でしかない事実。そしてその世界の一部が兵器としてだけの自分を平気で覚醒させるという悲劇・・・(この事情のあたり、もっと描写がほしかったところです)。

なのになんだろう、黒いエンタープライズを手に入れて優位に立ったとたん「やったぞー!」とばかりにカークを蹴っ飛ばし、口を菱形に人質交渉を始めるんだ。

あんなのカーンなら当たり前です(笑)。あそこで別の何か展開があってこその新シリーズじゃないでしょうか?あんなベタな展開にするなら、彼の正体を土壇場まで隠しておくべきだったのでは。「最後に名乗っておくべきだったな、私の名は・・・」

彼の怒りは、モノとして自分を作った何かに対する事だと思います。例えば、カークに隠してスポックと彼とが何らかの芝居をうって悪上司を浮かび上がらせるとか、元祖スポックがそれを聞いてビックリとか(←めちゃくちゃですが)

結局カーンはカーンでしかなかったという事でしょうか。どっちにせよ、オリジナルの筋からは離れてしまってるのだから、もっと設定的な冒険があってもいいのでは? オリジナルシリーズ版カーン(911担当)と新シリーズカーン(阻止担当)が正体を知らずに戦うとか色々できると思うけど。

 この監督は伏線はちゃんと張る人の様なので、次回は、ズール(Mr.カトー)がちらりと見せた「怖さ」を拡張して彼が反乱を画策するとか、それが冬眠ポット内の彼からの強力な精神支配によるものとか、色々できるとこが本シリーズのいいところだと思います。

P.S.  とはいうものの、エンドタイトルの星の映像と音楽を聴いているだけで評価があがってゆくのは自分でも意外です。この監督は、脚本はイマイチかもしれないけど「何がうけるか」をきっちり分かってる。これを言うと恥ずかしいけど、ただ1分にせよ粗い画像で元祖スポックが出る演出とか「ああ読まれきってるなあ、監督に」とは思いつつ本当に嬉しい。

(評価:★4)

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