[コメント] テキサスの五人の仲間(1966/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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といった見方もできるのではないか?
人知れず語り継がれるどんでん返しの傑作、といった感じの本作だが、エンドマークの出た後に残る感動は、決して「意外感」だけではない。
やられた方の5人は3500ドルを失ったが、”ホントにいい女”を見た感動を得て帰っていった。ある者は感極まったのか「貴女と会えて光栄です」とさえ言って・・・
最も粗野だった富豪は、金でがんじがらめにして娘と一緒にする予定だった新夫を、敢えて逃がしてやる。 「逃げるのだ。世界がお前を待っている。本当にいい女、お前を尊敬する女がきっと現れる」・・・あの若妻に出会う前は思いもしなかった言葉だろう。
そして何より大事なのは、その感動が実は、全くのニセモノというかペーパームーンというか壮絶な騙しから発生したものだという事だ。 愛らしい賢妻は実は単なる遊び女。男もジゴロ崩れみたいだし、子供までもがあの調子。
そんな5人が、何物にも代え難い感動を5人に与える事ができた。それが本作のメインテーマだと私は(勝手に)思う。
なぜなら、映画そのものが、まさにそれだからだ。 チャン・ツゥイーもヘップバーンもなんとかプレホレンコだって、もしや撮影の合間には煙草をふかし、助手に怒号を浴びせていたのかもしれない(そうではないとは思うが)。でも作品は別だ。セルロイドの表面に付着した銀粒子の羅列でも、本当に大事なものを観客に残す事ができる。監督の頭にはそういう事もあったのではないか。
ラストのあのおんぼろ医者の表情が、どこかそれを思わせるんだけど、単なる思い込みかなあ。
P.S. 全くの余談ですが、監督が残した思わぬおまけというかイタズラを発見しました(?)。先日TVで改めて観ると、夫が妻に託した5枚のカードの中身が微かながら観客にだけ見える角度で写されているのです(!)
カウンタが”1:09”前後をピクチャーサーチで見てください。
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