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けにろんさんのコメント: 更新順

★4ラブINニューヨーク(1982/米)ウォール街から死体置場の夜勤という窶れた荒びの日々が夜の女たちの元締へという急落で一気に底打ちし反動へ向かう。遣る瀬無いペーソスと狂的な逸脱がワイルダーの周到なトレースを感じささせる佳作。主演2人のキャラ不足をキートンの目力が追補。[投票]
★4ディープ・ブルー(1999/米)冒頭で一応の敬意を表した後、笑いに至る間際の寸止め的な地点まで極まった容赦無さの徹底ぶりで『JAWS』とは違う地平に立ち得ている。ゲスもゴアも臨界線上で高度なパランス感覚を見せ、キャリア停滞の狭間で一瞬ハーリンの達観を感じさせた復活作。[投票]
★2ジョジョ・ラビット(2019/米)表層的なネタを並べて構築された物語のなかで、価値観を転倒させるのに悶絶するような懊悩が無いまま死んだと聞いて脳内ヒトラー消えちまえっていうガキ思考と作り手が同じ土俵にいるように見える。戦後民主主義を自らの手で勝ち取ってない我々の合わせ鏡だ。[投票(4)]
★3冬冬の夏休み(1984/台湾)ジャンルの同工作が多数あるなか突出した何かがあるわけでもない。垣間見える大人世界が少年の自我の萌芽に寄与することもないスケッチ。ピンビン共闘以降のスタイルは未だ確立されていないが『童年往事』の前半はこの映画の凝縮版だったことだけは解る。[投票]
★4AI崩壊(2020/日)個人情報を一手に握られる危うさと社会保障が機能不全となる未来図がポリティカルに描き切れたかはともかく、全篇を逃走と追跡の攻防に費やし走り続ける作劇が良い。近未来のディテールが現在世界と混濁し三浦アリスコンビが非情に人情を注入する。[投票(2)]
★2スフィンクス(1980/米)何がどうなってるのかの興味もさっぱりわかない展開の果てに、勘所の何千年にもわたる悠久の歴史に秘められた謎っていうのが面白みもくそもない。大作の捌きに秀でていたシャフナーの冴えの片鱗も窺えない凡作。ただただエジプトの美しい景観だけが見所。[投票]
★3オクラホマ巨人(1973/米)共闘関係のなかで軟化する男性嫌悪という鉄板ネタをガンガン押す訳でもなく、文字通りのカラ騒ぎに終わる顛末が如何にも半端。それでも味ある役者が演じる中年男女の接近は仄かにはときめく。見所は丘の争奪という高低差の活劇性とパランスの底知れなさ。[投票]
★4バレンチノ(1977/米)生きる縁を本能で知悉したように飛び石の如くに女たちを伝って時代を駆け抜けるバレンチノの内面をラッセルが描こうとしたとも思えない。20年代ハリウッドを取り巻くショービズ界へのノスタルジーが全てで、そういう点で徹底的に凝りまくっている。[投票]
★2嘘八百 京町ロワイヤル(2020/日)もともとに気の利いた騙し芸があるわけじゃないのに、冴えないテキトー男たちの馴れ合いの狭間から時折垣間見える本物といった味わいさえも喪失してスカスカ。塚地ほうか等前作で本筋に絡む余韻を見せた脇役も顔見せ程度。完全な乗っかり仕事だ。[投票]
★3不良少年(1961/日)物語を通して何かを提起するというよりドキュメンタリズムの荒削りな即物性の生々しさをフィルムに刻印することで完結してしまっている。小宇宙での内ゲバではなく、社会性の中での善悪や正邪の相克といった相対化の試みが無ければ単なる観察記録でしかない。[投票]
★4ラストムービー(1971/米)入子細工の構造がメタフィジカルな解読を強いるのだが、要は浮気して女にフラれ一攫千金を目論み文無しになった男が、もうわてわやくちゃでんがなという話。ホッパー映画キャリアの残滓が随所で顔を出す。特に『ジャイアンツ』の影を感じさせ泣けるのだ。[投票]
★4レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989/フィンランド=スウェーデン)ダサおもろいとかヘタウマとかを意図してやればあざとくなるのだが、そもそもの「意図」がピンずれしてるので限りなく「天然」に相似となり、挙句には何故だかその笑いのセンスがハリウッド映画の最良の部類に近似してしまうというのも不可思議なウナギ映画。[投票]
★5風の電話(2020/日)死んだ魚の目の下に抑え込まれた身悶えするくらい喪われた家族が恋しい想いを開放する旅路。出会う大人たちは哀しみを背負い生きる様を慎ましやかに呈示するだけだが少女の中で何かが変わるやもしれない。真摯で透徹したトーンが全篇を貫くロードムービー。[投票(1)]
★2バット★21(1988/米)後に『ダイ・ハード』で取り入れられたコンセプトだが、この設定のみで反撃のない逃げ一手の展開を保たせるのは如何にもしんどい。良心作だが地味で刺激に欠け役者力に依存する題材ゆえに端境期にいたハックマン不遇の80年代を象徴する1本となった。[投票]
★4ロマンスドール(2019/日)夫婦の間で隠し事しないってのは簡単じゃないし何かの掛け違いが決定的になる。これは破綻の縁で辛うじてそれを回避できた2人の話で、その相互理解の幸福感が思い出の円環を充足させる。ラブドール工場をめぐる人間模様も悲喜交々の余韻を呈して過不足ない。[投票(1)]
★3蜂の旅人(1986/仏=伊=ギリシャ)冒頭の結婚式が深い色調を伴った圧倒的な長回しで結局は篇中最大の見せ場。あとは、もったいぶったアンゲロ調で描かれるものの、本質は『嘆きの天使』か『ロリータ』かといった感じで、なら正直になれよと言いたくなる。流石に舌足らずというしかない。[投票]
★5ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(2019/米)富豪の相続に纏わる西洋版『犬神』は金田一ならぬクレイグのキャラ立ちもイケてグイグイ来るのだが、それでも特筆は不意打ちの如き男の死に様美学。移民や格差という現在形問題を差し込んだ古典仕様。カオスのような諸要素が一点集約されるラストカット。[投票]
★3チェンジリング(1980/カナダ)ピーター・メダックフィルモグラフィの中では多分『蜘蛛女』と並ぶ代表作。コキロンの撮影が広角多用で非常にエッジが効いておりキャスティングの渋さもあって工芸品レベルだ。ただ主人公が究明の役回りの第三者でショッカー味に乏しく余り怖くない。[投票]
★3モリツリ 南太平洋爆破作戦(1965/米)ブランドが職能者として任務を遂行するのだが場当たり的で牽引力が弱い。替りにマーゴリンの切実な思いと覚悟、ブリンナーの高潔と脆さがエモーショナルに一応は活劇性を下支える。終盤も済し崩しとしか言えないが2度の空撮が唐突ながら魅せる。[投票]
★2八月の鯨(1987/米)ベルイマン的姉妹の相克ではあろうが、干枯らびた人々ばかりが登場するのでパサパサして味気ない。濡れたヴァギナあってこその女の諍いであって91歳のギッシュを担ぎ出すにはテーマが場違いだ。映画史に遡及する言説は本質が伴ってこそ意味がある。[投票(1)]