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けにろんさんのコメント: 更新順

★3美しきセルジュ(1958/仏)嘗ては強烈な輝きで主人公を惹きつけたという設定のセルジュが丸投げにクスブった様しか見せないので主人公が何故にかくもその救済に拘るのかが伝わらない。正直イライラする。しかもラストで物語に決着もつけないではセルジュのみならず観る者も救われない。[投票]
★4彼女の人生は間違いじゃない(2017/日)止め処ない空虚や埋めきれぬ寂寥や為す術ない孤独に纏めて晒された時に病気にもなれぬならぶち壊すしかない。閉塞された日常を行方を喪失した自分自身を分った風な世間の常識を。全篇死んだ目をした彼女が終盤の回想で感情を吐露して嗚咽する。シュアな構成。[投票(1)]
★3グリーン・デスティニー(2000/米=中国)撓う竹の細枝を飛ぶが如くに舞う中国古来の仙人伝説と同列にワイヤーアクションを並べれば理詰めでは納得できたとしてもミシェールツィイーの殺陣を見てしまえば矢張り重力を感じたいと思う。悠久の夢幻に飛翔するかのようなラストが素晴らしい。[投票]
★3ジャズ・シンガー(1927/米)個人の夢の成就と家族の柵の間の煩悶を引っ張り引っ張った挙句の卓袱台返しな展開の強引さに呆れる。今では考えにくい黒塗りの扮装やユダヤコミュニティの真正面から描写に時代の変遷を思うのだ。トーキー初作という意味合いよりそっちの方が歴史価値がある。[投票]
★4キッスで殺せ(1955/米)フィルムノワールかと思いきやストーリー展開が後半加速し枠を逸脱していく。原作にアルドリッチが加味した部分はマッカーシズムや核への警鐘というより既成枠を解体したアナーキズムそのものだが、それに意図的でないらしいのが映画史上の玉手箱なのだ。[投票(1)]
★3君の膵臓をたべたい(2017/日)一昔前の奥手女子が陥った白馬の王子願望の極めて現代的裏返しで、据膳喰わぬも当たり前では悦に入ってみても内実は妄想に留まる。それでも胡散臭い話を唯1人で背負う美波ちゃんは辛うじて映画の誠。損な役回りに甘んじた景子も又ある意味誠である。[投票]
★2アッシイたちの街(1981/日)中小企業を題材に虚々実々の親会社との攻防を描くのであれば、脇を固める山本ファミリーが俄然水を得たであろうに、工員バンド「アッシイ」が高らかに労働讃歌を歌うアナクロぶりが観客の心を絶対零度に凍てつかせてしまう。老左翼の共闘の果ての墓場。[投票]
★3いぬむこいり(2016/日)あっち側に行ってこっち側の生温い平穏を叩っ斬るようなルサンチマンは影を潜め、高所から胡乱な講釈垂れてるような体たらくだ。紛争地域である「島」が我々の何を照射するのか見えぬでは形骸だし済崩しのカタストロフは逃げだ。それでも第2章だけは面白い。[投票]
★4アニー・ホール(1977/米)多くのトリッキーな手法が試されてるが、先行者の素描か或いはお試し感拭えず数打ちゃ当たる的場当たりに留まるのだが、コンプレックスを武装し捲くし立てる台詞が同期することで追憶の中で愛惜へと置換される。キートンの普遍キャラも世界を平準化した。[投票]
★3東京喰種 トーキョーグール(2017/日)寄生獣』と似た構造だが高潔さが無い。良・悪グールが居る設定自体が凡庸で良いグールしか出てこない展開は主人公の悲愴を希釈する。彼岸に行く話なら此岸を描くべきで2人の捜査官で代替しちまうのも覚悟が足りない。富美加が良いのは覚悟の度合いか。[投票]
★3J&S さすらいの逃亡者(1972/伊=スペイン=独)見かけはもとより遣ること為すことド汚なく且つええかげんな主人公の70年代マカロニ末期テイストの佳品。演出にはハッタリとケレンが垢抜けなくも窺え一応の訴求力はある。ひとことで言って変な映画だが例によってのんべんだらりとした展開が睡魔を誘う。[投票]
★4からみ合い(1962/日)相続を巡る女の確執は『女系家族』の粘度と磁場はなく小粒感拭えぬが、よく言えばドライ。それ以上でも以下でもない。山村のエロ演技が想像以上にスケベなのと美佐子のクールネスが恵子を圧倒。シャワー室から夜這いに至るシークェンスこそ佳境。[投票]
★4人間の運命(1959/露)故郷に残した妻子への思いと悔恨は巻き込まれた戦争の変転の中で瞬く間に後方に退くだろう。それを強いる過酷さと切り抜けた果ての圧倒的絶望と再びの希望は生きるってのは正にこういうもんだと思わせる。意外なまでの映像のシャープネスと役者の良さに驚く。[投票]
★3ジョン・ウィック:チャプター2(2017/米)只管に襲われ撃退するの反復は今回キアヌが鈍重だということを前提に殺陣が組まれドタバタと重戦車よろしくぶち当たり1人当たり2、3発撃ちこみ脳天に1発で止めます。ろくなストーリーラインが無いからアホが純化され絶対映画の域に達してる…かも。[投票(1)]
★4アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー)常識や倫理を微妙に逆なでし続ける圧倒的エネルギーと狂騒に為す術無く流されるのだが、それが国家が解体される混沌の民族史観と重なる酩酊。祖国と家族という2面的な喪失の哀感は太いシュールと熱いユーモアで上塗りされる。巨視感漂う民族史的大河ドラマ。[投票(2)]
★4ありがとう、トニ・エルドマン(2016/独=オーストリア)働く女性の孤独や周辺事情を描き見栄も嘘も無い。父親は奇矯アプローチで娘を慮るが愛は安売りしない。映画が拘るのは錯綜した感情が醸す空気。顛末の後に彼女は父の真似をしてみるが世界は何も変わらない。変わらなくっていいという全肯定が世界を充足する。[投票(3)]
★3猫が行方不明(1996/仏)文字通りの老若男女が混在し疎遠でもなければ押し付けがましくもないコミュニティ。そういう疑似リアルな優しい世界の中で今一な彼女の孤独感ばかりが逆説的に先行し痛々しくコメディと言うなら笑えない。ラストのセンスの良さが辛うじて作品を引き締めた。[投票]
★3黒い河(1957/日)有馬の虚無表現が堂に入り彼女中心の展開と見れば結構に振り切れてるのだが、ボロ長屋の面々の悲喜交々が交錯して軸がボケる。出歯メイクの山田宮口の台詞廻しや淡路のエロス。見処は多いが「結」が無いのでラストは無理矢理感が漂う。 [投票]
★4シェフとギャルソン、リストランテの夜(1996/米)インディーズ映画でありながら多国籍国家に於ける民族アイデンティティを尖らず予想外の豊饒さでフィルムに残せてる。信を貫くことは結果如何に係らず気高い。そしてイアン・ホルムイザベラ・ロッセリーニが当たり前のように出るのだ。信義の為に。[投票]
★4残像(2016/ポーランド)義を通すは反面的に我を通すこと。去る愛人と去る娘をアパート外の石畳の街路で反復する。圧殺の為政者に抗して潰されるか身を委ね与するかの運命の分かれ道。彼は堕ちていくが娘はスターリニズムの尖兵となり飢えない。凡人の安寧志向を撃つアイロニカル。[投票(1)]