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けにろんさんのコメント: 更新順

★4昭和枯れすすき(1975/日)2時間ドラマと大差ないストーリーと配役なのだが新藤野村ラインは熟達のコクを映画に付与する。分けても秋吉久美子のノンシャランを高橋の硬質と同一画面上で均衡させたのは演出の為せる技。他の出演者も総じてベストワークと言っていい。[投票(2)]
★3男の子の名前はみんなパトリックっていうの(1957/仏)何と言うこともないスケコマシ野郎の掌話なのだが未だイジケてないゴダールは軽やかに撮っている。と言うかロメールに乗っかている。このあと『女は女である』で素直路線は頂点を迎え、その後2度とこういう世界には戻れなかった。そう思うと切ない。[投票]
★4アラン・ドロンのゾロ(1974/仏=伊)暗黒街の貴公子又は根暗なナルシストのイメージがドゥッチョ・テッサリの誰憚らぬマカロニパワーで覆る。馬鹿陽気で屈折感がなく只管に楽しい。クライマックスの対決を筆頭に殺陣もケレン満載で期待以上に素晴しさ。ドロンのプロ魂を見せつけられる。[投票]
★3オン・ザ・ミルキー・ロード(2016/セルビア=英=米)生きとし生ける生業と無常を炸裂させた動物大集合のエナジーは無機物に遡及し大時計をも狂わせる圧倒的カオスだがクストリッツァ様のご登場と共に霧消する。ロマンチック道行には愛の質量が哀しい位に不足なのだ。挙句に世捨て人のように悟られたってさ。[投票]
★3レイニング・ストーンズ(1993/英)リフ・ラフ』に比して腹の底から湧き出た何かを描くのでなく物語ることに囚われ作為的な感じだし、何処かで見たよな破滅型人間を描いて類型的。スタッフワークもゲリラ感が消失した分荒削りパワーが減衰した。釈然とせぬ展開も悲喜ベクトルを宙に浮かせる。[投票]
★4ユリゴコロ(2017/日)頭のネジが外れてると自己分析する女が改変されるに絶対善性のようなものを対置させる凡庸は未だしも結局それはそうでなかったという済崩し展開が論理の欠片もない。だが女は須らく非論理に生きてるのだし吉高は好演だと思う。ダムの愁嘆場はその結実だ。[投票(1)]
★3ターミナル・ベロシティ(1994/米)ニッチな界隈で世界戦を語るB級感を弥増させるナスキン客演であるが脳内スポンジのチャーリーの無我の演技が煩悩を制覇。スカイダイブのクライマックスは結構な見せ場で金払って見る価値はここだけでもある。キャラを立てれれば1ランク上を狙えた。[投票]
★5野性の少年(1970/仏)実直な博士が考察を記録する静謐なリズムと四足歩行を物にした子役の身体性に加え忍耐の連続を見守る家政婦の共闘者としての立ち位置が表出する喪失されたマザーコンプレックス。19世紀初頭を再現した美術と衣装と撮影。アイリスも映画の説話性にフィット。[投票(1)]
★3TOKYO EYES(1998/日=仏)どういう訳か世紀末に復刻された70年代ATGアートフィルムの匂い。なので感情の不整合は感性で補ってチョーってな具合の良い塩梅での適当と風景の異郷性が懐旧感を煽る。吉川ひなのの天然なカリスマ性も緑魔子的フシギ小悪魔をトレースして好み。[投票(1)]
★4幼な子われらに生まれ(2017/日)再婚に於ける普遍的な確執を描いて何の奇矯な設定もない。のだが終始不穏な緊張感が持続。どんな家庭だってそういう危うい均衡上に立ってるのだとのクールな認識。斜行エレベーターや車窓景観や1人カラオケのリフレインが冷えて心地良い孤絶感を際立たせる。[投票(2)]
★3プロジェクト・イーグル(1991/香港)和洋中揃い踏みな女3人引き連れて悦に入るジャッキーのお気楽アドベンチャー。見てる方は本人が喜んでるほど楽しくないのが難点だが、一応の見せ場は間断しつつも挟み込まれ、最後はジャッキーキートンへの傾倒が窺える見せ場にはなっている。[投票]
★5奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017/日)可愛い娘ちゃんに目がハート胸ドッキュンな廃れリアクションに生命吹き込む希子初出シーン。世界中の男は妻夫木と同一化しスクリーンに没入するだろう。あとはキャラのクソビッチが突き抜け映画は自走する。行き着くソバ屋での詠嘆は存外に本物だ。[投票(1)]
★4追想(1956/米)嘘から出た真的なロマンティック大講談であり絢爛なハッタリ絵巻で、素材の秀逸は文句ない上に、バーグマン復帰が絶妙にアナスタシアとリンクする天恵な配役。これでダメなら余っ程だが水準スタッフが無難に乗り切る。大芝居の堪能と大甘ラストの余韻。[投票]
★2ゲルニカ(1949/仏)ゲルニカに対しピカソによって為された考察を上塗りするだけなのに、恰もオリジナルイシューであるかのような態度は如何なものか。方法論的に間違ってる気がする。具象から抽象への変遷が惨禍を表するというのも幼児的だ。機銃掃射のオーバーラップも又同じ。[投票(1)]
★3GODZILLA/ゴジラ(1998/米)遠くから響いてくる足音に胸が騒ぎ、ビルの谷間を行く時の尻尾が又素晴らしい。圧倒的なるものの表現に於いて図抜けている。だが、『インデペンデンス・デイ』丸出しの都市崩壊の繰り返しは許せるとしても、中盤の明らかなヒット作2本の剽窃で一気に冷める。[投票]
★4三度目の殺人(2017/日)どんだけ『天国と地獄』好っきゃねんな接見所のガラス反射テンコ盛りだが2大俳優のガチエナジーと精緻なカット割りで一応魅せる。しかし真実究明の迷宮は、伝統的な情に棹差す展開が前面に出て後退。リンチを期待したが、所詮芳太郎だったみたいな。[投票(2)]
★1ナオミ(1980/日)ウブな設定のナオミは到底ウブには見えず、又財と知性を付与されたとされるナオミも全然そう見えないという、どっちに転んでも見るべきもの無しであるなら、どうしてこんな出涸らし題材に触手を伸ばすのか。媚びた姿勢と時代錯誤が侘しさを超えて腹立たしい。[投票]
★4ダンケルク(2017/英=米=仏)状況説明無く叩き込まれる敗走の混沌地獄の遥か上空では静謐のロマンティシズムが支配する。その対比が全て。撃墜され海へと落下する画の美しさは宮崎押井へのオマージュめく。であるから、終盤の安直なヒロイズムで糊塗された収束は粋ではない。[投票(2)]
★5フェイシズ(1968/米)中産階級夫婦の倦怠を一切の作劇上の仕掛けを弄さずに描き前半は戸惑うのだが、そうやって綴った会話劇が中盤以降にいきなり転がり出す。映画が自走し出す瞬間。脳細胞は一気に覚醒し目を瞬く間も惜しい。破壊された嘗ての映画の在り方に引導を渡した衝撃作。[投票]
★3ラ・ジュテ(1962/仏)事後の壊滅描写より戦慄的なのが平時のオルリー空港で不穏な空気が充満する。時間遡行による記憶に閉ざされた想いのロマンティシズムが明らかにアラン・レネ的なのだが、この形式は最初で最後の偶発。故に1ショット静止を解かれて動く画が凡庸に見える。[投票(1)]