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けにろんさんのコメント: 更新順

★3冒険者たち(1967/仏)妙ちきりんで浮世離れな冒険マニアの反リアリズムに世知辛い世間の現実が介入する。アンリコのサディスティック視線がバランサーとして機能。レティシアの選択は男前ドロンのヒロイズムを弥増させるが餌にされた中年男としては少々鼻白むしかない。[投票]
★4ジュリーと恋と靴工場(2016/仏)映画の尺もあり岐路に立った彼女の決断は明快で早い。突っ慳貪だがエッチ障壁が低いのもおフランス。儘ならぬ就活で疲弊しパートから正社員へ渇望が十全に描かれてるのでラストが効く。一見緩〜いミュージカルに見えるがおばさんたちのダンススキルは堅牢だ。[投票]
★3恋のためらい フランキーとジョニー(1991/米)ファイファーの諦観は穏当なのだがパチーノに疲弊が過剰にあり、為に本来の設定がもっている片隅感が減殺される。目の下に隈を作る疲れた風情は天下一品だが一転ことが起こるとハードにやりすぎる。そういう狂気すれすれの演技の片鱗は場違いなのだ。[投票]
★5KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016/米)既視感ある設定の寄せ集めを取り敢えず手法と舞台の新奇さで糊塗。そういう醒めた感情に風穴を開けるセロンの慈愛。俄かにローリングし始めた物語は顔無しシスターズ登場で佳境へ、そして失速。が、欠落した家族再生という強靭な思いは映画を支え続ける。[投票]
★4春のソナタ(1990/仏)人生に於いて意図的に駆け引きを弄さなければ偶然は転がり込んでは来ない。そして、要件さえ整えば男と女はいとも簡単に恋に落ちるし簡単にそれは終わる。微妙なニュアンスをきめ細かく描いて闊達だが、それでもやはり最後は何かの結論を呈示して欲しかった。[投票]
★3密偵(2016/韓国)腹探り合いの一夜を発端とする王道展開かと思えば、敵に与する男の心情の揺れはクローズアップされず済し崩しに状況に流されてゆく。強固なエモーション欠落下で感情の寄せ処がない。ただ、演出は随所でキレがある。特に冒頭の急襲と中盤の列車シークェンス。[投票]
★2推定無罪(1990/米)スタッフ・キャストの面子だけはやたら揃えたが斜陽パクラの下では緩い映画にしかならなかった。振り回されるだけのフォードに主役としての精彩無く木偶の坊と化する。デネヒースカッキの欧州勢登用もこうも役が仕様もないと殆ど効果無い。[投票]
★5動くな、死ね、甦れ!(1989/露)悪ガキ譚としての日常が非日常へ延伸する契機の列車転覆や糞尿泥濘の醒め切ったスペクタキュリティもだが女囚の売春や強盗団の殺人など少年が見聞きし体験する外世界の非情こそカネフスキーの現状認識だった。1人世界を引き寄せた少女も断たれ母は狂う。[投票(2)]
★3ダイ・ハード3(1995/米)シリーズの為に書かれた脚本じゃないのにタイトルだけ『ダイ・ハード』にした乖離感が拭えない。女房不在のマクレーンは何とかの無いコーヒーみたいだ。最初の30分こそは、それでも趣向が冴えてるが残りは平凡。カメラが雑いし必要以上な残酷描写も不快。[投票]
★3ノクターナル・アニマルズ(2016/米)今彼に浮気されふった元彼と縒り戻したい願望が破砕されるマスターベーション映画なのに、過去と現在のジャンクションになる小説世界は彼女を上げて落とすべき方向性に沿って展開されない。暴力性への畏怖は丹念だがデブおばさんほどには作り手に覚悟はない。[投票]
★3赤ちょうちん(1974/日)引っ越すたびに状況は段々悪くなっていくのだが2人は自覚的でもない。一応のドラマトゥルギーを感じさせる中島丈博のシナリオと否応なく時代のシラケ感を表出してしまう藤田が補完し合って行き詰まりに向かってのんべんだらりと物語が進行していく。[投票]
★2コンクリート作業(1958/スイス)見たところ相当大規模なダム工事で映像のスペキュタリティを追及するに過不足ないのにチマチマ小屋内のコンクリ練り機械なぞに執着することでゴダールが見世物的ハッタリに無関心なのはわかる。こういう建機フェチなフェリーニの対極であることも。[投票]
★4カプリコン1(1978/米)未だ陰謀説も敷衍せぬ時代にこのアイデアがあれば前半はもって当たり前なのだが、後半になり展開がSF色を脱色されても全くダレないのが驚嘆。ローアングル主観カースタントや眼前ヘリ浮上の望遠近接効果。ハイアムズ始祖のアクション演出は少なくない。[投票(3)]
★4わたしたち(2015/韓国)絶妙に微妙な2人のキャスティングを誂え作り手は徹底的に突き放すが催涙的な加担はせぬ一方で彼女の寝顔のあどけなさは愛でて止まない。それこそ親が子を見守る視線であるかのように。強固な演出だが世界は限定される。葬儀のあとの海辺が一瞬風穴を開けた。[投票(1)]
★3書を捨てよ町へ出よう(1971/日)全篇にわたりこれでもかと叩きつけ続けられるコンプレックスを起因とした暗渠じみたパワー。60年代の「新しい波」が触れた手を引っ込めた何かを引きずり出して晒すのには前衛の鎧での武装が必要であったのだろう。前にも後にも人無き道を往くのは痛々しい。[投票]
★4ローガン・ラッキー(2017/米)図体がでかくリアクション乏しい兄弟のキャスティングがこの2人って時点で成功は確約されたようなもんで絶妙な間が頻発するのだが、それさえもソダーバーグの仕掛けだったってのが食えないっす。カーキチ妹やクレイグ3兄弟など立ったキャラも豊穣。[投票(1)]
★3U−571(2000/米)モストウ演出は実に的確なのだが数多の潜水艦映画の海洋で船首を上げるには至らない。閉塞空間の鬱屈とソナー音の静謐と爆雷の振動の恐怖が否応なく醸し出すサスペンスは鯔の詰まりどれがどれだか判んないの運命となる。変態役者が顔を揃えたが皆まとも。[投票]
★3デ・パルマ(2015/米)下手に分析的な究明を行わず「自作を語る」的なシンプルな構成に徹している。見つけ出した新旧多彩なフィルム断片を遍く適宜挿入するのも誠意を感じる。だが、トリュフォーヒッチに対し行ったようなシーンをショット単位で解析するレベルじゃない。[投票]
★4ペインテッド・デザート(1993/日)好きこそ物の上手なれでアメリカかぶれ原田の特質みたいなのがビデオ映画『タフ』連作で見出し獲得した一応の職人芸と最良の形でマッチングし違和感無くはまった。木村一八がアメリカの役者や風景の中で全く浮いて見えないだけでも凄いことだと思う。[投票]
★5南瓜とマヨネーズ(2017/日)売れないバンドマンと風俗で働き男を支える女みたいな一昔前の刹那感は皆無で状況に流され何となく日々は過ぎてゆく。ダメな男と女の顛末にダメな俺たちは共振するのだが甘さもない。これは正しく平成末期の成瀬イズムの継承。決めショットの痺れる快感。[投票(2)]