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けにろんさんのコメント: 更新順

★5アデル、ブルーは熱い色(2013/仏=ベルギー=スペイン)出会いと別れに纏わるザ・シンプルな内容で、物語的なギミックは皆無。同性愛をめぐる周囲との軋轢が後半放逐されるあたり寧ろ興味がないのだろう。ひたすら2人の射抜き射抜かれる視線の交錯と最深部まで味わい尽くす肉体の連結をカメラは凝視する。圧倒的。[投票(2)]
★3エリザとエリック(1987/仏)隔絶された世界を客観的にどう認識するかの視点を欠いてるので、他人のオナニーを見てるような味気なさしか感じない。嫉妬はあるが肉欲はない姉と弟の「おままごと」遊びは、何故に2人が充足しているのが理解しかねる。ポップな意匠は全般に味気なく空疎だ。[投票]
★4マラヴィータ(2013/米=仏)閉じた世界ではならのヤクザ論理を世間のしがらみに適用する危うさを微塵も躊躇しないベッソンに剣呑なアホさを感じぬでもないが、スコセッシデ・ニーロワールドへの子供のようなリスペクトぶり。ならば、出がらしのような世界観も了承できる。[投票]
★3オズの魔法使(1939/米)芸達者だがトラウマを抱えたおっさん3人衆が少女を庇護しつつの珍道中もので、彼らはその過程で悩みから解放されるが、ドロシーは何かを得るわけではない。その無私性は愛すべきだが啓蒙的な強圧感も若干臭う。オズの国の造形は年月に耐えたか?微妙である。[投票(3)]
★2アメリカの惨劇 188人を私刑した男(1985/米)数人殺したそのあとは殊更の葛藤もなかったのだろう。過ぎたるは無きに帰する。でも、だから何だって言うのか。これを再現ドラマで描く動機を理解できないし理解したくもない。ローバジェッドの泡沫フィルムの一群の中では、かなり良く出来たものではある。[投票]
★3ゲノムハザード ある天才科学者の5日間(2013/韓国=日)新味の無い記憶障害とアイデンティティ喪失のミステリーだが、韓国人監督による日本ロケの巧まざる異郷感が寄る辺無き主人公を取り巻く違和感と絶妙にリンクする。真木中村の日本側2女優の儚い美しさに対しヒョジンのタフネス。ともに良い。[投票]
★4銀の匙 Silver Spoon(2013/日)今更ながらの泰平なニッチ業界少年成長譚なのだが、ヘタに周防矢口の先駆者に並ぼうとせず、寧ろ上島などの緩い廉価品再生に活路を見出したのに好感を持つ。の対峙に至っては賞味期限過ぎの腐りかけ豚肉の熟成的芳香をさえ放つ。[投票]
★4デルス・ウザーラ(1975/露)異文化との邂逅や親和を描くことに於いてリーンの2番煎じ化する危険を孕むが、黒澤にはそこまでのアイロニーは無い。純粋無垢を描き真っ当に胸を打つ。加えて活劇描写の独自性がブリザードと激流の2大クライマックスを微妙に既視感から逸脱させる。[投票(1)]
★3パラダイス:希望(2013/オーストリア=仏=独)風景として矯正スクールは十全に描かれるが、摂食障害は物語の因果律に寄与しない。しかし、思春期少女のセンシティブ心のな揺らめきはヴィヴィッドに捉えられており、深夜の脱走エピソードの刹那感は白眉。ただザイドゥルとしては当たり前に過ぎるのだ。[投票]
★4RETURN(ハードバージョン)(2013/日)半端な原発への言及や極右的コングロマリットの胡散臭さなど相変わらずの原田の信用できなさではあるが、一方アンナ筆頭の極悪3姉妹の千葉=大友イズム継承や椎名のカポエラの粗の見えなさ。歪な魅力には事欠かないがラストはアホかいな。[投票]
★3がんばれ!ベアーズ(1976/米)実際にそれなりの球を投げるテータムのクールなリアリズムが全般ゆるい作劇を辛うじて随所で引き締めるのだが、それがなけりゃどうということもない児童映画だ。ルーティーンどっぷりの役柄を新味なく演じるマッソーだが引き立て役としては機能した。[投票(1)]
★2武器人間(2013/オランダ=米=チェコ)武器人間の見てくれからしてキッチュ路線まっしぐらなのだから、大腸ビローンや脳味噌カパッとかはまだ良しとするが、マッド博士の俗悪ぶりが可愛げなく悪ふざけも大概にさらせと思うしかない脳味噌按分匙加減にゲンナリ。全壊し切ってない馬鹿は気持ち悪い。[投票(2)]
★5家族の灯り(2012/仏)真面目なドライヤーブレッソンを装いつつ舌を出すオリヴェイラ。凪の水面の湖底では悪意と洒落っ気が絶妙に混在する。老妻の偏狭を撃ち、善人ぶった老父の妄執を叩きのめす呵責の無さは怖いもの知らず。銅版画のようなベルタの撮影も絶品。[投票(3)]
★3ベルーシ/ブルースの消えた夜(1989/米)黄泉の国から眺めるという体裁上、鎮魂的な静謐が支配するのは必然で、それを狂騒を旨としたベルーシの半生を描くに用いたのが良い。エピソードをある程度知ってた方が理解は深まったろうが、悲哀をこめた暗調の展開は捨て難い。余りに淡々としすぎだが。[投票]
★4白ゆき姫殺人事件(2014/日)これ見よがしに「ツイッター」や「ワイドショー」という武器を並べてみたがロクに使わず仕舞で戦いは終わった。シュアに今を抉るセンスは無い。代わりに赤川次郎的昭和思春期因縁話を泥臭さを厭わずに無理くり押しまくる。その開き直りの潔さを一応買う。[投票]
★3ドン・ジョン(2013/米)イケイケのしんどい女よりくたびれかけてても気のおけない女というコンセプトはレヴィットごとき若造に言われたくない。シーンの場を限定し反復する話法は原理主義的主人公を反映する為としても世界を矮小化する。家族のキャスティングはけっこう絶妙。[投票(1)]
★4天国までの百マイル(2000/日)巧妙な換骨奪胎であると同時にベタ泣かせの商業的陥穽には田中陽造だから落ちるようなことはない。何の個性も主張しない演出だがプロットの把握の仕方は的確。しかし、名手田村をもってしても、この貧弱ライティングでは画は平板にしか成り得ないわ。[投票]
★3キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014/米)やっぱこのCAいうキャラはピンではきっついなあ思う。クソ真面目すぎてスカヨハ招聘の設定に何のトキメキも無い。レッドフォードも無駄使い。この70年代の闇を内包した男には役がチャチかった。ジャクソン襲撃シークェンスのねばりは買う。 [投票(1)]
★4ラム・ダイアリー(2011/米)泥酔いも壊れるまではいかぬ匙加減が中米のダラーンとした風土と相まり半端で良い。高等遊民の田舎日記の朦朧とした無為な日々も後から思えば意味を為す的刹那な叙情。無駄が廃された性急な時代に復古されたコークの幻視も無意味に力入るスローライフ映画。[投票]
★4リング(1998/日)「呪いのビデオ」の出来がキーポイントだったと思うが、剣呑なササクレ感が横溢し、見せ切らないを良しとした時代を終焉させ怒涛のような悪意の奔流を現出させた。それを今更の安価な心霊ネタ都市伝説のプロトタイプに混在させて提示したのも戦略的に効いた。[投票(1)]