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けにろんさんのコメント: 更新順

★2007/ダイヤモンドは永遠に(1971/英)荒唐無稽に走りすぎて愛想を尽かされ、レーゼンビー起用で更に愛想を尽かされた後の本作。コネリー復帰したが半端な余裕綽々も侘びしく正にシリーズ斜陽の末後感。カースタントとコケティッシュなジル・セント・ジョンのお色気だけが救いだった。[投票]
★2プロミシング・ヤング・ウーマン(2020/英=米)友人の被虐に人生棒に振って帳尻をつけようとする。そのつけ方も須く寸止めであって何やっとんのやの誹りは免れない。思い込み過多のイタい女の自己満足をそのように描くのならそれはそれでいいのだが作り手が自己同一化する様はフェミニズムの成れの果てだ。[投票]
★3オン・ザ・ロード(1982/日)男と女が疾走を続けながら追いつ追われつ南下すると言うコンセプトなら20年前の『憎いあンちくしょう』の方が他者の為の行為が自己に訴求するという点で100倍高踏的だ。良くも悪くも直截だしベタなのである。全体的に演出も描き切れない粗さが目に付く。[投票]
★3白衣の男(1951/英)奇天烈な実験装置が異音をたてながら実験室の片隅で永久作動を続けているが誰も何なのか知らない。その掴みは期待させるがそれだけだった。経済の理を展開に持ち込むお利口が作った喜劇だけに重くて弾け切れない。大風呂敷とハッタリとケレンが足りないのだ。[投票(1)]
★3蜃気楼ハイウェイ(1992/米)フワフワとした茫洋感に包まれた一篇だが、正直、主人公が出会う人々の話は深いのか浅いのかようわからん。どうでもええような気もする。まあ、旅には出た方がいいのだとは思う。意味あることだけが人生を構成するわけじゃないし何かが得られるかもしれない。[投票]
★4クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2020/米)遥か彼方の変異が至近に到来する時間の大枠設定やミニマムな激痛の演出など随所で的確であることへの信頼感を感じた。さすれば終盤の為にするかのような設定もカットバックの大見得の方途である。切り開いていくべき時代を担う子どもたちに委ねる健全な精神。[投票(2)]
★3北陸代理戦争(1976/日)やたらテンポが良く飽きはしないものの、北陸の田舎やくざの寂寥感がうら寂しさを横溢させ、ルーチーンが退廃へと突き抜けることもないままジャンルの末期感が漂う。山守が分化したような西村ハナ2枚が定型演技で緊張感を阻害するのも弱かった。[投票]
★3サクラより愛をのせて(1976/日)満員電車で大股おっ開げて脚放りだしてふんぞり返ってる奴はサボテン入りの買物袋を顔にギューギュー押し当てられデブのオバハンのお尻ズドーンと膝に直撃され挙句には痴漢冤罪でボコボコにされておっ放り出されるのが当然でおま。わてそう思いまんねんやわ。[投票]
★5ねえ!キスしてよ(1964/米)計り知れないコード横溢の時代に間隙を縫ったキワキワ感がソソる。インモラリストワイルダーのチャレンジ精神の歪な輝き。ウォルストンの地味さが徒花に徹したノヴァクを輝かせる皮肉。代役の代役マーティンの当たり。全ては順目に裏返った。[投票]
★417歳の瞳に映る世界(2020/米=英)彼女に後悔はあっても自己憐憫はないし、従妹も黙って付き添うだろう。17歳の彼女たちに採り得る選択を実行するだけ。覚束ない方途で不足金を用立てる連れの手をそっと握る彼女なりの万感の思い。事が終わって何某の感慨もないが窓外の光は差し込んでくる。[投票]
★3Mr.レディー 夜明けのシンデレラ(1990/日)「おかま」であることの本質には言及せず一昔前の調和的人情世界にしか物語が展開しないのが所詮限界とも思うが、それが一種心地よくもある予想外に良く出来たコメディ。想像以上の赤塚小野寺等のカマ演技に俺は徒花として献花しようと思うのだ。[投票]
★3ある現代の女子学生(1966/仏)現代の女子大生のもつある種のイメージとはかけ離れた60年代の現代女子大生。端境期のフロンティアは都市パリの解放感の中で寧ろ静かに内向してるみたい。心臓に電極繋いでの動物実験も物怖じすることない。ある意味それだけ切羽詰まってるとも言えるかも。[投票]
★2暗殺者の家(1934/英)稚的なマクガフィンで映画的純度を粋化させたヒッチは先達者であると同時に分岐点に立った男だったのであり、そのことに充分に自覚を持っていたから敢えて『知りすぎていた男』を撮ったのだ。本作に関しては原型としの価値観のみで葬るのが供養である。[投票]
★4キネマの神様(2021/日)呑んだくれのダメ男の女房として清掃パートで日を送る宮本に青春時代の煌めく芽郁ちゃんが重なって噛み締める狂おしいまでの惜春。日々を生きるのにやっとこさの俺たちが思い返すこともない煌めきを慎ましやかに遠巻きに山田は提示してくれる。 [投票(3)]
★1新バニシングIN60” スピードトラップ(1977/米)ニューシネマの残映のもとで身の置き処を掴み損ねたジョー・ドン・ベイカーと『ハリー3』で咲いた日陰の花タイン・デイリーが主演コンビで華がない…のは良いとしても肝心のアクションの切れもC級程度の域を出ずせば何の見処とて見出せないのだ。[投票]
★4花折り(1968/日)我欲が凝固した住職の面相に対して小坊主は可愛げがあるように見えるのだが、豈図らんや堪え性ゼロで意地汚なさは天井知らずなのであった。盃にこっそり数珠たらし込んで付着酒をぺろ〜り美味なるかなのいじましさ。既得権の受益階級をとことん貶める。[投票(1)]
★3道(1954/伊)対比されるべく書き込まれた粗暴や狡猾と無垢や慈愛が極北的に配置されたのは解るが、クインマシーナが余りに線上から逸脱し無さ過ぎでキチキチでしんどい。ベースハートが逸脱のキーマンだったが力量が無く物語もそのようには組まれなかった。[投票]
★321ブリッジ(2019/中国=米)封鎖されたマンハッタンという設定は活かされず、内部監査食らうチャドの殺しすぎの背景も有耶無耶で万事が振ってみただけ。となれば唯一の真実はJ・K・シモンズの言い分にある気さえしてくる。その報われぬ死屍たちに拮抗し得る正義の不確かさ。[投票]
★3真夜中の弥次さん喜多さん(2005/日)ファッションとしての60年代米カウンターカルチャーのパロディならムカつくが、ドラッグ依存下の「愛」への妄信的確信とトリップによる表面構造の破壊が一貫し、これは結構本質を衝いている。これをノンシャランと作れる宮藤は矢張りタダ者じゃない?[投票]
★41秒先の彼女(2020/台湾)DJやヤモリといった気の利いたギミックが反復される前半。そのポップでオシャレな孤独に飽きかけた頃に主体は置換される。逸脱された時間軸がもう一つの孤独を照射して叶わなかった思い出を現出させる。世界の臨界めいた風景が『千と千尋』みたく幽玄だ。[投票(2)]