★3 | 獅子の血脈(2001/日) | 良純がダメなこと衆目が一致する中それなりの謎めいた展開で保たせるのだが最後の最後でギャフンとなる。そりゃないぜよ松方の兄貴…悦に入る様はもはや新喜劇。松田優に強いインパクトを覚え南野が相変わらず良い。一方小沢はやりすぎ。 | [投票] |
★3 | 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982/日) | 合わぬと思ってた裕子とジュリーが思いの他山田世界に親和してるのが意外だが後年の2人を見れば然もありなむ。微妙な均衡点で世界の調和が危うくも成立した。寅屋のシーンも前後のシリーズ中では充実してる方。寅も未だ当事者に片足はかけてる。 | [投票] |
★3 | 悪名(2001/日) | 今更企画で前半は紙芝居的展開にうんざりしかけるが後半俄然息づいてくる。櫻井淳子の醸し出す儚さ所以だろう。役者、演出をはじめ美術に至るまでアベレージを保ち卒が無い。エンクミ・青田など女優陣の選択がシュアで濃い男たちと拮抗している。 | [投票] |
★3 | 恐竜の島(1975/英) | 着ぐるみともダイナメーションともCGとも異なる実寸大張りぼてロボの恐竜たちが、実風景の中でリアルな肌触りを醸す。動けないものを如何にして脅威として見せるかの初源的活劇性への探究がなかなかの味わいで楽しめる。第一次大戦下の背景もレトロでいい。 | [投票] |
★3 | スパイ・ゲーム(2001/英=米) | いい話とは思うが構成が致命的。一刻一秒を争おうってのに過去の長ったらしい回想が興を削ぐ。しかも、現在進行形のCIA本部が臨場感に富んで大層魅力的なのに対して過去シーンはかなりのルーティーンだ。初めて老醜を曝け出したレッドフォードは買い。 | [投票] |
★3 | Uターン(1997/米) | クソが寄ってたかって織りなす流れがものの見事に転がり転がってくサバけた脚本にクセある役者を揃えてネタ上等なのに肝心の調理人ストーンの演出にキレかなくなっちまった。単線構造で状況の錯綜を捌く腕が振るえなかったしユーモアも欠如。余裕がない。 | [投票] |
★3 | 新・雪国(2001/日) | ありきたりな物語だとは思うが好きなんです、こういうの。雪に密閉された温泉町の雰囲気の最果て感が良く、行き場の無い男の物語にリアリティを付与する。新人苗木は生硬で全然物足りないが、代わりに女将を演じる南野が女の熟成を醸し素晴らしい。 | [投票] |
★3 | スターシップ・トゥルーパーズ(1997/米) | 軍事優先な背景下のティーンの成長物語に強烈なアナクロニズムを感じる。それが仕掛けだとしてもギャグ化されるわけでもないのでバーホーベンが変態だと了解しても違和感を感じる。昆虫お化けは前半の大群描写は素晴らしいが親玉が出てきた途端シラけた。 | [投票] |
★3 | 暴走パニック 大激突(1976/日) | 荒々しいと言うよりディテールや展開のテキトーさを有無を言わぬゴリ押しで糊塗して狂熱で誤魔化し切ってしまう遣り口が食えない。似非ニューシネマなストーリーも寒いが、渡瀬と杉本の貧乏たらしさのなかに腐れ縁的絆を見出す愛にはかなり打たれる。 | [投票] |
★3 | レッド・ブロンクス(1995/香港) | やられまくるジャッキーの鬱憤を晴らす爆発がないのが糞詰まりのようなもどかしさを覚える。アメリカ向けにカスタマイズされた作劇からは笑顔の下の真の嗜虐や被虐は削り取られ生温い表層だけが残留している。アクションも過去作の使い回しの継ぎ接ぎだ。 | [投票] |
★3 | 県警対組織暴力(1975/日) | 警察機構を体制的に描く訳もなく所詮は似たり寄ったりの強欲と暴力の集団とならざるを得ず、ならば結局一緒やんという話だ。寧ろ構図は図式化し蠱惑のカオスは存在しない。拓ボンがドMチック熱演ったって徒花にすぎず、ラストの詠嘆はありきたりで今更。 | [投票] |
★3 | エドワード・ヤンの恋愛時代(1994/台湾) | 人物捌きが親切でないので錯綜した物語が入ってこず狂騒の度合いも生温い。従って宴のあとの何とやら的感慨もドッチラケで湧かない。如何にもなギョーカイを舞台に持ってきたのがどうにも鼻につき、安手の台湾版トレンディドラマを途中から見せられた感じだ。 | [投票] |
★3 | 惑星ソラリス(1972/露) | SFと言う意匠を纏ったからにはどうしてもそれなりのエフェクトを期待してしまうので、ステーションの厚みのないセット美術やソラリスの表層的な海面の造形が喪失を描きたいタルコフスキーの本懐を妨げる。地上の実景が内省を表象する前半こそが圧倒的。 | [投票] |
★3 | ジェネレーションズ STAR TREK(1994/米) | 興味のない伝統芸能の復活興行みたいなもんで、新旧の主役揃い踏みったって、内実を伴わない気障管理職の成れの果てと出所来歴の知れない胡散臭い禿親爺では一見者にはオーラゼロでキツい。話もええかげんとは思うがそれはそれ金はかかっており退屈はしない。 | [投票] |
★3 | 犬神家の一族(1976/日) | 泥々の因縁話を欲の皮の突っ張り合い程度で茶を濁した感があり本質は遠ざかる。ジャパネスクと崑テクの融合はコンセプトは明快だが、腐乱死体の湖中ショットや金田一閃きの3連繋ぎなど冴えた断片が馴染みきれてない嫌いも。音楽の斬新に随分救われた。 | [投票] |
★3 | 天と地(1993/米) | 大国の利権争いから内戦に至るベトナム近代史で翻弄される1人の女性を通しストーンが何を言いたかったのか終ぞ見えない。駆け足的な大河ドラマの中でジョーンズの印象はお荷物の介入者でしかない。視点の立脚点に本腰が入ってなく多分に如何わしい。 | [投票] |
★3 | カッコーの巣の上で(1975/米) | 後半は一応盛り上がりを見せるが、軽度にせよ精神病院ってこんな普通の連中ばかりか?という疑問。体制へのプロテストも余りに捻りが無い。しかし、今更の知れた題材を名優たちを誂えて真正面から十二分な押し出しで語り名作然とした鈍色の光沢を放っている。 | [投票] |
★3 | オーケストラ・リハーサル(1978/独=伊) | 映像ハッタリ翁フェリーニも目眩く虚仮威しを封印されたワンセット劇でなんとなく冴えない。そもそも描かれるべきエモーションは映画には存在せず場当たりな帰結で誤魔化すのであれば破壊のカタルシスは生じようがない。ポーズだけの怒りでは事は回らぬ。 | [投票] |
★3 | ブレージングサドル(1974/米) | 無駄に熱いタイトルと豆喰い屁こきゲップ連発の冒頭ギャグの臆面の無さがナイス掴み。その後も早撃ちのベタギャグなど単発的にはかなり笑えるが、どうも調子は持続しない。設定だけに終わる人種ネタやとっ散らかしただけのメタ終盤など本質を抉ってないのよ。 | [投票] |
★3 | チャイナ・シンドローム(1979/米) | 地球規模のカタストロフィに繋がる案件を小さな器で描いたジャーナリスティックな結実として『カプリコン・1』と双璧とも言える。だが、女性の社会進出の肩肘張った感が主題とリンクし切れないのが映画をぼやかす。レモンの熱演しか見るべきものはない。 | [投票] |