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けにろんさんのコメント: 点数順

★4メン・イン・ブラック3(2012/米)今更のタイムスリップネタの帳尻合わせの鮮やかな手際に興趣を覚えたわけでもないが、さほど好きでもなかった前2作の重しが随所に効いて小ネタが結構ツボにはまった。ウィル・スミスの闊達に抗するに老ジョーンズを廃した戦略が勝因。哀しいけどね。[投票(4)]
★4メランコリア(2011/デンマーク=スウェーデン=仏=独)1部は悪意と諧謔が混在するブニュエル由来アルトマン経由のパーティ映画として圧倒的な密度だが、その多様な悲喜交々が放棄され鬱病人間こそが終末に対峙し得るという2部のテーゼは余りに単線で唐突。トリアーの断定癖が今回は空疎に見える。[投票(4)]
★4川の底からこんにちは(2009/日)自虐的モラトリアム女が開き直って一念発起し自己再生するベタな規定路線上の物語は余り説得力もないのだが、日常的におっさんとオバハンがまぐわう土俗環境の今村が降臨したかの如き描写の魅力と徹底的なダメ男を許す川島的女権信仰が太い。[投票(4)]
★4息もできない(2008/韓国)言い訳も依存もせずに、だが世界から決して逃げない視線を保持し続けてきた2人が、それでも苦しさに煩悶し、そのシンクロする生き様に唯一心を開き嗚咽する漢江のクライマックス。魂が震えた。ただ、以後が少々予定調和か。役者2人は唯一無二。[投票(4)]
★4エスター(2009/米=カナダ=独)どうせ馬脚を現しヘタれるのだろうと思って観てたら、「悪魔な子ども」モノにありがちな後味の悪さも払拭し、一気に加速して走り抜けたことに意外な爽快感と感銘があった。ネタがネタだけに扇情的にもできようが抑制のかけ方も良い頃合い。[投票(4)]
★4チェイサー(2008/韓国)イレギュラーな展開はグダグダだが苦にならない。ゴミでも頼らざるを得ない女と心根ではゴミではない男の距離感が絶妙だからだ。だから決定的に携帯留守録が心揺さぶる。『殺人の追憶』ほど深淵でもないが演出の筆力は肩を並べるとも思う。[投票(4)]
★4グラン・トリノ(2008/米)イーストウッド的懲悪譚と異文化との親和が並立するのみで「ボーイズ・ビー…」的典型に収斂するのみなら何故にモン族なのか。制するのが白人で越境する度量があればと感じた。爺コン萌えの親爺の立ち居振る舞い。一瞬たりとも目が離せないのも事実だが。[投票(4)]
★4その男ヴァン・ダム(2008/ベルギー=ルクセンブルク=仏)虚実が混在する作劇は混沌として明快でもないが「実」の部分が決定的に泣かせる。ヴァン・ダムの本気が伝わるからだ。で、「虚」部分も結構本気だったりもするから尚嬉しい。2回の長回しを含めた銀落しシネスコ撮影の正対ぶりも含め良い映画だ。[投票(4)]
★4アフタースクール(2008/日)何がどうなるか行く先不明のグルーヴ感。ただ前半にあった曲がりなりにもの不穏な空気はやがてマニュアル的に滅菌されていく。又、唐突の誹りを免れない佐々木大泉の確執は書き込み不足か。何かと詰めが甘いが撮影始め特筆点も多い。[投票(4)]
★4ジェシー・ジェームズの暗殺(2007/米)冗長とも言えるが敢えてアンゲロプロスのようだと言ってみれば深淵にも思えてくる。少なくともリアクションではなく場の空気を描こうとしたのは間違いない。それが成功したシーンは心底堪らないが、でないシーンは結構睡魔に襲われる。[投票(4)]
★4夜顔(2006/仏=ポルトガル)老醜と変態が滲み出るかの如きピッコリのアル中演技から一瞬たりとも目が放せず、それだけでも必要十分だが、怒涛の終盤に叩き込まれた意匠(箱や雄鶏)が醸すブニュエルへのオマージュ。2人の爺さんのシュール趣向の奇跡的シンクロ。たまらない。[投票(4)]
★4ダイ・ハード4.0(2007/米)新奇な趣向は皆無でプロットも過去3作の折衷だが、偶発の受動者から「HERO」たる自覚下、能動的マッチョに変貌したマクレーンに違和感は無い。軸のぶれない主人公がシリーズの魂を堅持しつつも「男親」へとチャネルを切り替える終盤が予想外で泣けた。[投票(4)]
★4バベル(2006/仏=米=メキシコ)日本とモロッコの挿話が数枚の写真でしかリンクしない等、構成の強度は脆いし新味も乏しい。しかし、一見今更の喪失や鎮魂の中から最終的に抽出されるのは子供に対する大人達の思いと次世代への希望に思える。予想外の真っ当さに撃たれた。[投票(4)]
★4フラガール(2006/日)健康ランドでフラダンサーになったからって…と思うが、それさえ叶わぬ親友のことを思えば涙も出る。状況描写に説得力があり、そこしかないから的唯一の社交場の安食堂の鄙びた場末感が良い。ただ終盤が安易に予定調和。『リトル・ダンサー』との酷似も損。[投票(4)]
★4解散式(1967/日)任侠世界から仁義のなき世界へと移ろいゆく時代の境界という言葉が文字通り湾岸に並び立つ石油コンビナートで示現される。そして、「創造社」の2人の役者が旧き侠道の破壊者として登場するのも象徴的。的確な作法で深作は風穴を開けた。[投票(4)]
★4M:i:III(2006/米)釣瓶打ちの見せ場の連鎖は近年の常套とも思うが、冒頭のシーンが山葵の如くに効いてくる構成は端折るという意味が入念に考慮されてると思う。バチカンと上海のシークェンスに流れる濃厚な『カリオストロ』臭や「マクガフィン」等一々喜ばせてくれる。[投票(4)]
★4スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005/米)悪への転向過程があの程度の物語じゃ納得できぬし、元々予定調和に欠落した円環を補完するのみの物語に殊更の感興も覚えないが、全編ゴテゴテと画面の隅から隅まで遣りすぎ位に何かを飛ばし填め込み大概ウンザリする筈がそうでもなかった統制力には参った。[投票(4)]
★4リベリオン(2002/米)設定が恥ずかしいまでに稚拙なのが幸いし物語の強度を増幅させる。終盤では不覚にも目が潤んでしまった。親が思うほど馬鹿じゃないってことだね。そうあって欲しいよ。統計的推学「ガンカタ」も嘘だろうと思う間もない位決まってた。[投票(4)]
★4ぼくんち(2002/日)少年は故郷を棄て女は故郷に回帰する。寺山的或いは黒澤どですかでん』的邑社会に纏わる出入りの物語は多分に形骸的だが特筆すべきは観月ありさ。生なピンサロ嬢も神々しき慈母性も同時に存在そのものが体現。これが要となって物語を担保した。[投票(4)]
★4レディ・ジョーカー(2004/日)何が何だかさっぱり解んねえ…のは確かだが仕方なかったのだろう。原作者の思惑との狭間で悩んだ挙句に確信的に総仕込みして破綻させたと見る。ドン詰まりのやるせなさだけは過剰な程に全編を被い、どいつもこいつも目一杯に行き詰まり感を漂わす。泣ける。[投票(4)]