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けにろんさんのコメント: 点数順

★4鉄道員(1956/伊)人の営為なんて苦難続きなのだが、問題を若干は解消し大半は折り合いつけ生きていく。そして、ささやかな未来への展望に安堵するのだ。少年の真摯や姉の憂いや兄の反抗や母の慈愛が錯綜し軋轢が生じるが親爺はギターを爪弾き目を閉じる。慎ましやかで泣ける。[投票(1)]
★4ローマの休日(1953/米)不可触人だが超可愛く、幼気な処女でオキャンで明るい。全オヤジが夢見る女の子との出会いの理想郷。漲るエロ願望は1度のキスで無理に充足させ、分別ある保護者的立場に身を窶す。ラストペックの万感の屈託と充足のオードリー。男には余りに切ない。[投票(1)]
★4もっとしなやかに もっとしたたかに(1979/日)無気力・無責任とまでは言わないが本質にそういった資質を色濃く内在させる脚本で、起承転結が無くダラダラだが結構色々起こる平凡男の日常がノンシャランで良い。奥田十八番の受動的で取り柄無きうらぶれ男も良いが藤田の資質とも最高にマッチした。[投票(1)]
★4荒野の七人(1960/米)世界を取り巻く厚みは減失したが粛々と仕事を遂行するプロ魂は倍加され胡散臭いリーダーのもとでもミッション遂行のエネルギーは十全。7人と言うより4+3のキャラ力学が頃合の配分でド真ん中を射抜かれた少年の夢は主題曲に乗り今でもメキシコの空を翔る。[投票(1)]
★4大陸横断超特急(1976/米)緩いヒッチテイストだが列車内旅情と車外の疾走感の緩急に牽引され気になる間もない。再三の脱落と追っかけも活劇ベクトルの強度を倍化させる。ブルックス組の2人は毒を緩和され60年代のワイルダーエドワーズを彷彿とさせる嬉し楽しさ。[投票(1)]
★4トリュフォーの思春期(1976/仏)トリュフォーのこういう熟れた散文的語りは有りそで無いところが新たな話法への探求を窺わせシビれる。メインに置かれた少年の憧れや、落ち着く結末は正直ありきたりだが、サイドストーリーのエピソードにシニカル人でさえも微笑み泣かされる魅力満載。[投票(1)]
★4恋人たちの食卓(1994/台湾)謙虚な長女とおキャンな三女に比して割喰う次女をバブリッシュなキャリアOLに設定し父親の対立項として設定したのが巧みで、氷解の楔が「料理」であることも良い。アン・リーのこの頃の演出は不器用だが真摯で骨太。出てくる料理の数々も悉く美味そう。[投票(1)]
★4恐怖に襲われた街(1975/仏=伊)アメリカ製ポリスアクションに一歩も引けを取らない活劇の連鎖。飄々とスタントをこなすスターベルモンドが醸す余裕とユーモア。朴念仁的相棒デネとのコンンビネーションの味わい。それらを統べるベルヌイユの演出の冷徹に随所で痺れる。[投票(1)]
★4フェリーニの道化師(1970/独=仏=伊)少年時代の回想は『アマルコルド』へ、監督自身が登場するフェイクドキュは『ローマ』へと伸延されて結実する。幼少時の記憶の中の残像は得てして主観に装飾された虚像なのだ。これは老いて消えゆく道化師たちに仮託されたフェリーニの幼少時代への決別。[投票(1)]
★4アラビアのロレンス(1962/米)シャリフクインを従えてのアカバ攻略をピークに映画は長い凋落に停滞感を強める。リーンの力技が随所に効いて惑わされるのだが構成は歪。色を添えるロマンスは皆無で代わるロレンスの少年愛嗜好も半端。その歪や半端を奥深さと捉えるも可だが。[投票(1)]
★4慕情(1955/米)人種の障壁を越えた恋愛という設定がほとんど機能していなく刹那な越境感も殆ど無いが、だからこそとも言える老匠キングのオールドハリウッドなベタなオーソドックスに世知辛い浮き世を忘れて浸るも又良しな名作。[投票(1)]
★4マルコヴィッチの穴(1999/米)微妙な臨界線上に位置しているのだが見透かされたような余裕で支持せざるを得ない側に落として見せられた気がする。ボロを出すかと思っても切り抜けてしまう奥の深さはゴダールみたいだ。「人形使い」もマルコヴィッチも本気じゃない…のが又良い。[投票(1)]
★4オーディション(1999/日)彼女欲しさの嘘八百のオーディションがアンチモラルとしても男なら解らないことはないという微妙な匙加減。トラウマに囚われた不孝な過去を背負うとしても抑制の枷をぶっ飛ばす一大ショッカーの連続が柔な理解を嘲笑う。倫理観の立脚点は現実には微妙なのだ。[投票(1)]
★4ケイゾク/映画(2000/日)80年代アニメとの関連付けは誤読と思いつつ、危難待つ牙城に潜入する前半に『カリオストロ』、構造が崩壊する後半に『ビューティフルドリーマー』を感じた。斜に構えたキザも堂に入り原シリーズ未見でも楽しい。寧ろ背景を想像する余地が余韻を増幅させた。[投票(1)]
★4ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999/米)主観カメラ2台に限定する手法的制約を如何に切り抜けるかという幾何学的な興味。往々にして妥協と凡庸の陥穽に陥るところだが全く針はブレなかった。こういうのは、ノータリンか強固な意志を持つ者にしか成し得ないのだ。多分だが後者だろう。尊敬する。[投票(1)]
★4デルス・ウザーラ(1975/露)異文化との邂逅や親和を描くことに於いてリーンの2番煎じ化する危険を孕むが、黒澤にはそこまでのアイロニーは無い。純粋無垢を描き真っ当に胸を打つ。加えて活劇描写の独自性がブリザードと激流の2大クライマックスを微妙に既視感から逸脱させる。[投票(1)]
★4しのび逢い(1954/仏=英)どうにもピリっとしない女こまし野郎の自慢話で、老獪な戦前派クレールあたりならエスプリで流すところがクレマンでは半端なクソ真面目で物語相性悪い。なのに、モリス撮影の自然主義的屋外シーンがアンビバレンツな魅力を漲らせるので困るのだ。[投票(1)]
★4東京夜曲(1997/日)いきなり故郷に帰ってきた男に慌てふためく旧知の人々。設定も如何にもで、市川の技巧は鼻につく寸前までワンパターン化してきたが、仏頂面の寅次郎を長塚京三が好演。しかし、成功の要因は耐えて受け身に徹した桃井かおりのキャスティング。[投票(1)]
★4リング(1998/日)「呪いのビデオ」の出来がキーポイントだったと思うが、剣呑なササクレ感が横溢し、見せ切らないを良しとした時代を終焉させ怒涛のような悪意の奔流を現出させた。それを今更の安価な心霊ネタ都市伝説のプロトタイプに混在させて提示したのも戦略的に効いた。[投票(1)]
★4007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997/米)展開が速すぎてタメがないことは今更言うまい。驚いたのはミシェール・ヨーに対するブロスナンがそこはかとなく共闘関係の男女の機微さえ醸し出した点。又ギリアム風味のジョナサン・プライスもナイスで3者が拮抗している。[投票(1)]