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けにろんさんのコメント: 投票数順

★3この道は母へとつづく(2005/露)物語が転がり出すまでが些か長いし転がりだしてからはあっけないとしても本筋に於いて異論は無い。勝手にロードムービーを期待し、ロシアの泥濘道や新芽が息吹く操車場や雨の石畳やなんかが深淵で形而上的な何かを醸す瞬間を期待しすぎた俺が悪いのだろう。[投票]
★4新・仁義の墓場(2002/日)ルール無用の悪党を守る為に通す筋もある。美木山下の侠気。東映・Vシネ複合群が新たな燦ざめく男どものカオスを形成し得たことを祝福する。主役2人の熱演も素晴らしい骨太筆法で犯罪者を描いた多くの傑作日本映画系譜上の1つとして刻印された。[投票]
★4毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト(2006/米)こういう境界を越える話を半端にやられると、あざとさを被いきれなかったろうが、ミューズキッドマンの貞淑と逸脱の兼備がまるでブニュエル映画のドヌーヴのような説得力で迫ってくる。久々の見物である。接写のセンスが秀でたカメラも見直した。[投票]
★3ボーン・アルティメイタム(2007/米)平常温度から一気に沸点に到達する速度が並ではない。序盤のウォータールー駅での攻防の細密手工芸の如き編集美に至福を感じたが、そのまま昇天できれば良かった。アレン再登場での出し殻感が尾を引き物語も迷走。終盤はそんだけ?ってシャレにもならん。[投票]
★3実録梁山泊 パチプロ列伝 浪花の哲(1999/日)堅実にまとまってて好感は持てるが何せ余りに小さな世界の話すぎる。数万円勝った負けたのパチンコごときもんを映画館で金払って見たいと思わない。好事家の為のジャンルだし多分に梁山泊の自己弁明。まあ、本当のパチ狂いはこれ見るヒマあれば玉弾くけどね。[投票]
★2ハッピーストリート裏(1979/日)内向するルサンチマンは遂に弾ける術を見出せない。非情とバイオレンスを志向しつつプログラムピクチャーの枠を破って表出するものは鬱積し沈殿する倦怠のみ。今更こういう話を見たいとはどうしても思えなかった。「ごっこ」を越えようとの意欲はあるにせよ。[投票]
★4エイリアンVSヴァネッサ・パラディ(2004/仏=独=英)小汚い集落のこれ以上なく小汚い男どもの間を舞うヴァネッサだけでも価値はあるが、何ものをも一切語ろうとしない演出には『マーズ・アタック!』が本来行くべきであった地平を見た。ショボいが強固なコンセプトがある。『』へのオマージュも感じた。[投票]
★3ギルダ(1946/米)カサブランカ』の裏返しとしてグレン・フォードの冷徹さに惹かれかけたかに思えたが、ちゃうのんかい。2人の真情吐露を垣間見せずに強引に引っ張る構成の弱さを2回に及ぶリタの名曲で何とか補完するという歪な出来具合。まあ歪は好きなんだけど。[投票]
★4ポイント45(2006/米)唾棄すべき最低のDV野郎ではなく男は誰に対してもサイテーな野郎だった。そこがまだしも女の心情の納得性の担保。グダグダの男と女の腐れ縁はミラのペチャパイの哀切さに補完され見応えがある。ただ、どうにも終盤は商業主義的な妥協を感じた。惜しい。[投票]
★3大日本チャンバラ伝(1965/日)TVの喜劇役者が繰り広げる場末感バリバリのプログラムピクチャーなのだが、中年ババア連の繰り広げる下世話なレビューのバイタリズムには侮れない日活イズムを感じる。吉村演出は全般緩いが劇中の舞台演出は案外意欲的で黄金期の底力を感じさせお得感。[投票]
★3劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ(2007/日)丸っこいポケモンが無邪気に戯れる陽光の庭園の奥底で何十年にもわたり忌み嫌われながらも思いを全うし続けるダークライと隔世にわたる聖女の物語。サトシやピカチュウやロケット団のようなヘタレを後方に退け正解だった。既視感バリバリの物語だとしても。[投票]
★2喜劇 ここから始まる物語(1973/日)題材は悪くないが、二重構造にした意味が殆ど無いので冗長な展開にイライラさせられる。植木宍戸も自己模倣の斜陽感が漂い見てていたたまれない。最悪なのは安易な自己再生。松竹イズムと気障なニューシネマ映像は負の相乗効果を為して気持ち悪い。[投票]
★3女の警察(1969/日)「商品には手をつけない」とか言いながら結構手をつけるの場当たりさが心地良い。モラリズムとニヒリズムの絶妙の均衡の上の立ち位置とそれを当たり前とする自信に憧れる。政官の汚濁に切り込む本筋は固有名詞を並べて訳わかんないがどうでもいいのだ。[投票]
★3スパイダーマン3(2007/米)増やした敵の混合戦を綺麗に収束したと言え、負の触媒に冒されても髪垂らして町中で踊るくらいが関の山野郎では物語のエモーションが生じるわけもない。相変わらずの有り得ないグルグルカメラの動きのCG度に辟易だがキルスティンちゃんのほっぺに加点。[投票]
★3unknown アンノウン(2006/米)5人の男達の葛藤の関係が琴線に触れることもなく哀しいまでに謎解きの1点にのみ収束せざるを得ない展開に表層的な芸の無さを感じた。そして、その謎解きも深淵でもなんでもない結果で安心だぜ!ってなもんでフラシュバックも安易な取り敢えずの及第点映画。[投票]
★3ダ・ヴィンチ・コード(2006/米)ローマカトリックをここまで真正面から撃つ物語がよくも大資本で撮られたものだ。肝心の本筋ではなく解説的過去挿話にやたら金をかけて歪つな感じでロン・ハワードの構成への誠実の欠如が露呈する。役者は揃ったが演ることも余り無さそうなのも勿体ない。[投票]
★2忍者(2004/香港=中国=日)最初はモラトリアムなテキトー野郎だとしても、物語はその成長を促し何かが内部で変容していく様を抽出すべきで、その為にこそ魔裟斗白田のニッポンカップルをこそ深く掘り下げて欲しかった。ただそれ以前に今更忍者でもなかろうという問題がある。[投票]
★2ドリームシップ エピソード1/2(2004/独)特撮にけっこう気合いが入っており最初は見入ってしまったが、オカマ3人組が出てきてシラけてしまった。ドイツでは、こういうバカそのものが受けるのだろうか。後はオカマである意味すらも無い低級ギャグがひたすら連チャンされていき脳内は白濁化していく。[投票]
★3エンパイア・オブ・ザ・ウルフ(2005/仏)自分捜しの前半は好悪半ばでナオンの演出は相変わらずサディスティックに女性を追い込んで情感を垂れ流し一応泣かせるのだが、反面チープなメディカル解読は興醒め。後半は普通のアクションに堕したが変容のインパクトは魅せた。で、トルコは完全な蛇足。[投票]
★3鬼の棲む館(1969/日)骨格は単純で良いにしても、淫猥と高潔の対決は余りに何の捻りもなく、しかも、新珠は吹き替えヌードで興を削ぎ佐藤は腹に一物有り気で胡散臭い。高峰をもっと掘り下げれば違う目もあったのではと思う。宮川カメラは唯一パンが目を引いた。[投票]