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★4 | 映画 聲の形(2016/日) | 障害を描くに呵責ない攻撃性を内包し観る者に己の加虐性と向き合うことを強いる。彼女の「声」こそこの映画の決意。だがその決意は主人公のディスコミュ復権話にすり替えられえる。キャラ付けは女子3名は多面性を備えているが男たちは悲しいくらいに形骸的。 | pinkblue, 水那岐, disjunctive | [投票(3)] |
★3 | マイ・サンシャイン(2017/仏=ベルギー) | 差別に対しての抑圧が暴動へと向かう大状況に対し点描される個々のドラマは須らく内向きに閉じていく。こういうドラマトゥルギーは有りとは思うが、にしてはベリー・クレイグがスター過ぎ見る者の戸惑いが残尿感としてしか残らない。舌足らずなのだ。 | 死ぬまでシネマ | [投票(1)] |
★3 | 恐怖の報酬(1952/仏) | 何度か繰り返されるサスペンスの山場はクローズアップの力感が漲り弩級とは言えるが、ドラマトゥルギーの欠如が決定的。食い詰め者達の脱出願望に更なる切実さが欲しかった。要はハートに沁みてこないのだ。 | ナム太郎, りかちゅ, sawa:38 | [投票(3)] |
★2 | キッドナップ・ブルース(1982/日) | 限りなくアドリブに近いタモリと客演者たちとの掛け合いが黴びたシネマ・ヴェリテのような制作時に見ても10以上年前の作品の如きの古臭さ。意図された無意味や仕掛けられた観念は周到な計算に裏打ちされて成立する。これは表層であり形骸。撮影も凡庸。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★4 | もののけ姫(1997/日) | タイトルロールの割に少女サンに魅力が乏しく、テーマも人物配置も酷似する『ナウシカ』の文明と自然の共生願望に比し対立思考に終始するのが後退に感じられた。ただ、冒頭のタタリ神襲撃からしてアクションの切れは只事では無い。宮崎作品中最高だろう。 | 緑雨, 赤い戦車, DSCH, わっこ | [投票(4)] |
★2 | 汚れた英雄(1982/日) | 削ぎ落としたのではなく描ける内容が限られてるから無機的になった。結果的に女をこますこととバイクを走らせることという事象に特化して純粋映画になることもできたろうに哀しくも角川の精神支柱はどうしようもなく浪花節であった為に限りなくダサい。 | Myrath | [投票(1)] |
★5 | おとなの事情(2016/伊) | ありがちコンセプトながら展開は怒涛。納得リアクションの役者陣と闊達な演出はサイズの引き寄りの構成がスムーズかつダイナミック。ほぼグッチャグチャになってしまった人間関係だがお互いをだまくらかしてやってく。イタリア映画らしい詠嘆的ポジティブさ。 | jollyjoker | [投票(1)] |
★5 | 彼が愛したケーキ職人(2017/イスラエル=独) | 多くの2項対立が映画を突き動かす。セクシャリティや宗教や言語だが決定的なのはユダヤとドイツという民族間の深層の相克。だが、そういうドラマトゥルギーさえも超える彼の出自で知る止め処ない孤独。映画は反転し自走し破砕する。ただ一抹の希望を残して。 | セント | [投票(1)] |
★4 | ショートバス(2006/米) | こいつらには愛とSEXしか無いのかというミニマムな閉塞感を思うが、60年代フラワームーヴの復刻かと思える懐古趣味を色濃く滲ませたJ・C・ミッチェルには矢張り心を射られる。ハードな描写の連続に嫌悪感を感じないのは、その優しさがあるからだ。 | disjunctive, デナ, セント | [投票(3)] |
★5 | フレンジー(1972/米) | 両極に振り切れる残酷と諧謔がヒッチ枯淡の境地とギル・テイラーのシュアな撮影のもとで熟れて並存している。逸脱を繰り返した物語がエスプリの極致のような落しどころにピタリと収まる快感。アップ使いの衝撃がトラックバックの詠嘆に連なるケレン。 | 3819695, ゑぎ | [投票(2)] |
★3 | ラ・ラ・ランド(2016/米) | 冒頭のユニクロ乃至コカコーラCMチックな群舞のマニュアル臭は未だしも展望台でのナンバーの申し訳なタップは新春隠し芸大会めく。総じて圧倒的タレントの欠如が致命的で俺が見たいのは圧倒的な何かなのだ。ラストの視線の交錯はさすがに胸打つが遅かった。 | 週一本, るぱぱ, 月魚, G31ほか12 名 | [投票(12)] |
★3 | 続・荒野の用心棒(1966/伊=スペイン) | ハイキーで空を飛ばした泥濘のゴーストタウンが強烈で、そこを棺桶引きずって歩く主人公の造形が鮮烈だが、どうにもポリシー無さそうなキャラで損してる。メキシコ、南軍両敵方首領のキャラ良く、ラストのタメと決めが調子最高の主題歌と相まり快感。 | 寒山拾得, sawa:38 | [投票(2)] |
★2 | 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(1974/日) | 冒頭のエピソードでいきなりメルトダウンさせられ、鬱屈した感情は宮口偏屈親爺の登場により更なる暗黒へと誘われる。神聖小百合イズムを貫徹する為の物語は寅や寅屋の人々と真の感情交錯を産むべくもなく上っ面を流すだけだ。 | ペンクロフ, ぱーこ, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★4 | うたかたの戀(1936/仏) | 何でそうなるのの疑義が敷居が崩れ制約が無効化する今の時代を逆照射するのだが、世紀のロイヤルスキャンダルのロマンティシズムが済し崩す。万感を込めた視線の交錯はオペラ観劇と宮中舞踏会という大状況下でデ・パルマチックにミニマムな心理を抽出。 | 寒山拾得, ゑぎ | [投票(2)] |
★4 | 男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972/日) | マドンナに言い寄られて寅が逃げるパターンの初作だが、このパターンの方が切ない。橋の上での煮え切らなく遣りきれない会話が明晰なストーリーを要求する観客の思惑とは逆説的に山田洋次の真骨頂を表出してしまう。『口笛』で結実するペーソスの発芽。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★3 | 男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971/日) | 池内淳子を口説く寅の台詞はシリーズ中出色の心情の吐露で、そうとしか言えない寅の身上に泣ける…が、結局逃げちまうので見る者は心のやり場に困る。同一ネタを4回に渡り繰り返し4回目で本物に転化させる脚本の巧みさ、森川信の受けの巧さも特筆。 | ペンクロフ, 寒山拾得 | [投票(2)] |
★5 | アウトレイジ ビヨンド(2012/日) | 今更な西田や中尾の起用が『代理戦争』の旭や梅宮級の触媒となり化学反応を及ぼした。余りな単線いてまえ構図を小日向の介入を随所に錯綜させ複層化した巧味と終局の詠嘆。強固な顔面羅列の言葉のどつき合いに前作の欝憤は弾け飛んだ。 | たろ, 3819695, きわ, セントほか5 名 | [投票(5)] |
★3 | 男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995/日) | 根無草の寅の終焉に何らかの帳尻をつけようとしたのが間違っており、動けぬ渥美にリリー介添えで年寄の馴れ合い的辛気臭さが蔓延した。寧ろピチピチの若きマドンナで明るく陽気に何の予兆もなくプッツリ終わってほしかった。みんな歳喰ったてことですな。 | ぱーこ, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | 男はつらいよ 寅次郎の縁談(1993/日) | 新味の欠片もない出がらし的一作なのだが、松坂の腰の据わった風情や城山の衒いのない直情など女たちは良い。そう思うそばから、引き際よすぎる寅のダメさと満男の意気地なさに相も変らぬ残尿感を覚える水準作。就職に絡む描写は今こそ痛々しい。 | ぱーこ | [投票(1)] |
★4 | 斬、(2018/日) | ダメさの表現としてセンズリ野郎であったという嬉しいくらいの塚本節で、そういった男が覚醒する初期作を踏襲する流れなのだが、良いところは自分が全部持っていく為に覚醒も消化不良。ただ真剣のソリッドを擬音で表現し殺陣の剣呑さが迸る。そこは本気。 | DSCH | [投票(1)] |