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[コメント] 男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(1978/日)

今はなきSKDの、今はなき浅草国際劇場でのレビューをこれで初めて観た。
uyo

「もしあんたがここに入っていたら、人生どうなったのかしらね」なんて、倍賞千恵子に向かって言ってしまう楽屋落ちも面白かったです。もしかして、黒澤の『野良犬』での踊り子も、ここの娘だったのかな。楽屋をどたどたと駆けて行く足音が同じだ。

シリーズ途中から山田監督は、意識して、これからなくなって行く日本のあちこちを撮って行こうと思ったのだと、聞いた事があるけど、気持ちはわかる。でもそれは結果としてあるべきなのではないか、と言うあざとさも感じる。でも、そんな所もこの監督らしい。ある意味、あえて、そういうおセンチな娯楽映画を撮ってくれる、確信犯的な監督も日本には何人か必要だと思う。伊丹十三監督亡き後、個人的には矢口史靖監督にそういうジャンルを期待しているのですが。

自分にとって「浅草」は、「東京」を横切ってゆかなければ辿り着けない最果ての地だ。ただ一度だけ、浅草六区の映画館でかかった『狼たちの午後』が、どーーしても観たくてはるばる足を運んだ事がある。その頃レンタルビデオなんてハイカラなものはなかったので、どこかの二番館できまぐれにかけてくれるのを待つしかなかったのです。あの当時から時代に残されたようなあの小屋は、今でもあるのでしょうか・・・・。(案外あったりする所が浅草らしいとも思う)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] 直人[*] ぽんしゅう[*]

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