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[コメント] 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983/日)

毎回毎回画調にかなりの変化があって、いつも別の映画を観ている気がする。多くの人が身につまされる「現実」の間を、寅さんと言う「ファンタジー」が軽やかにつないでゆく。脚本が絶妙にリンクしていて、一体どうまとめて行くのかドキドキした。
uyo

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好きなエピソードは、法事が終わった後、ひろしの四人兄弟が、ぎこちなくくつろぎながら、何処にでもある軽い骨肉の争いを展開する所。名優ぞろいだ。(これを、パソコンを使った、工場の危機とのつなぎ方とかうまいなあ)中井貴一の親子の葛藤など、本当に多くの人が身につまされる「現実」の間を、寅さんと言う「ファンタジー」が軽やかにつないでゆく。寅さんがいなかったら渡鬼ですよね。

特に、魅力的なのは、主な舞台となるお寺のロケーション。階段を上がり、山から下界を一望する。あのお寺を見付けてから、今回の話を考えたのではないか、と思うくらい素晴らしい場所にあります。この「自然」と対称的に、お風呂場のシーンのために「作りこまれた」セットも、またとても見事。

それにしても、寅さんって、「フラレ続けている人」と言う、偏見と言うか、イメージがあったのですけども、結構自分の方からふっちゃってるんですねー。そういう生き方もあるのだねえ。

(評価:★4)

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