[コメント] 恋のエチュード(1971/仏)
ネストール節満載の、堪能に値するクオリティでしたが、女の醜悪な思惑と、男の頭空っぽぶりを、お砂糖たっぷりのロイヤルミルクティーの様な映像で描き切っている所には、やっぱりどうも生理的嫌悪感。
かつて太宰治が、「互いに「その気」もないのに、恋愛が、ふとした物のはずみなどで起きる事などは絶対にない。」と豪語していた事には、とても共鳴するのですが。だからこれは、姉妹同士の熱い熱いパワーゲームに巻き込まれてしまった愚かな男の一代記かと。胸はだけて露骨にさそってんのに乗っちゃうんだもんなあ馬鹿。(苦笑)
でもだったら『叫びとささやき』のように、お互いあからさまに罵り合ったり、映像からして寒々しい表現をしている方が個人的好み。リリカルな映像表現や、仲良し演技の中に毒を忍ばせる底意地の悪さは好きではありません。あんまり深く分析すると、それこそ洗面器何杯も吐いちゃいそうで、思考停止中。
こんな感性では、この監督も生きるのが辛かったのではないかなあ。←余計なお世話ですが。能天気で単細胞なゴダール親父の方が、やっぱり個人的に好みです。
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