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[コメント] 害虫(2002/日)

‘美少女’と言うむきだしの業苦。
uyo

作品の中で、サチが、目をつぶったまま本棚から本を選び出すように、たまーに自分もまったくの先入観無しに、手近な映画を突然観る事がある。条件はただ、「今この空いている時間に上映が始まるもの」。そうやってこの作品に出会ったので、ロビーのポスターを見てはじめて、「女子高生物だったのかー」と思った。(ら、中学生と言う設定だった。コドモの年はもうワカラナイな(笑)。夏子とサチの顔の区別も急には付かなかったし・・・)

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美少女と言う生き物を、丹念に残酷に解体して行く作業と言う、印象。

ろくに話した事もない、話す事もない男の子に、「つきあって欲しい」と言われる美しさ。払っても払わなくても、その美しさをむさぼろうと次々とたかってくる何匹もの蝿(ハエ)。その生まれながらの空しい剥き出しの業苦。彼女の母親もひたすら美しい。「無駄」なくらいに。現実は、キレイに生まれた事で、いい事はきっといっぱいあるだろうし、楽しい人生も送れると思うけれど、このお話は違う。

実際の宮崎あおいちゃん(未成年なのでちゃん付け)は、本当は特に美しい顔立ちではないけど、全身から美少女オーラを発している。いい意味での思い込みって大切だと思う。考えてみれば、16歳は、結婚も出来る年。手入れのない素材を無防備に消耗するのではなく、自分の見せ方を積み重ねて行こうとしている意識的な姿勢を感じました。

映像は・・・・、いたたまれないほど「これはすごい!」と言うのではなかったですが、かなり多くのストーリー上の要素をきれいにまとめあげている編集など、技術の高さがありました。ロケ地の選び方も個人的にとても感性が近く、居心地のいいぬるい快適さで、疲れが取れましたです。

ところでカントクは、髪フェチですね。アタリのノウハウを教わっている時の後ろ姿なんて、いつもこんな目で後ろ姿を見つめているの監督?!うーんい・け・ず。

(評価:★4)

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