これが単なる『ミッドナイト・エクスプレス』の流れを汲む作品だとすれば思ったより楽しめる作品だとは思うものの、この作品とまったくソックリな日本人観光客が巻き込まれた「メルボルン事件」が起きてしまっている現状で、これを楽しみきれる心の余裕は自分には正直いってなかった。現実を考えさせられる点では作品の影響力を信じたいが、いくら販売の為だからといってもこの作品を「あのニコール・キッドマン衝撃の初期ヌード」なんて売り方をしていたり、別問題だがヘボい外交で失態ばかり演じていたり、外務省自体が？？？な、この国のことを考えるともうなんとも複雑な気分である。しかもどう考えても無名なこの作品の方が実際の「メルボルン事件」よりも有名な気がする現実って、あまりに無関心にもほどがあるんじゃないかと憤慨し過ぎて心のおさまりがつかないんだよ、チキショー。