「地獄甲子園」は画太郎先生の原作離れたギャグ（画太郎先生もネタ作りに参加したらしいが）だったけど、今回は原作にほぼ忠実。前回の「はうあ！」に続いて「ぶべら！」まで出た。でもね、あんま笑えないのよ。笑いというよりシュール。いや、シュールという言葉では一言で表現できない未知の領域に足突っ込んでる。まさに”ババアゾーン”。

低予算のせいで小道具や特撮はますますチープに。役者もお笑い系中心でセリフの間が悪い。脚本は間延びしてるし、おまけに同じシーンを繰り返す寒いサブリミナル映像まである。漫画の桃太郎とかでもババアの必殺技が繰り返されるけど、読んでるときは自分でテンポ作れるからまだいい。映画では本当にリアルタイムでカットの分だけ時間食うから悪魔的にサムい。なんか呪術的な魅力を感じてしまうあぶない映画だ。

でも自分はまだまだ修行が足りないのであまり面白さを味わうことはできなかった。一番笑えたのは最後の珍八先生の遠藤憲一で、これはもう役者の力でしょう。最初の１，２話で引いてしまうようではダメだな自分。

今回、「地獄甲子園」のよう小気味の良さは薄れて、オムニバスなのにずるずるダークでマイナーなかんじにしてるのは凄いと思う。画太郎マンガの汚い画のタッチが映画にも乗り移ったようだ。ただし、ババアの根岸季衣だけはさんまの＜しっとるけ＞みたいでつまらなかった。マンガのババアの実写化は至難の業だ。

山口監督はクロマティ高校の実写化も検討しているらしい。見たいような見たくないような。