また「バタフライ・エフェクト」みたいなのが出てきた。映像はもっとアートしていて、ちょっとサブリミナルぽい速さがコワイ。凝った映像の割りに淡々としていて、全体を覆う哀感ただよう切なさはクローネンバーグの「デッドゾーン」みたいだ。

音楽はなんとブライアン・イーノ。ケレン味を抑えてイケそうでイケないもどかしい情感を演出しております。ジョン・メイブリーという監督、ビデオアートやってる人で、プロデュースしたソダーバーグが引っ張ってきたらしい。ハリウッド臭さがあまり無いのがいいです。

冬のロケ映像の寒々しさと相まって主人公の孤独が胸を打ちます。この際、あのタンキング状態な引き出しの中はどうなってんの？とか謎解きや辻褄合わせは言いっこなし。切なさに浸ればいいんです。浸れば。

脇を固めるジェニファー・ジェイソン・リーやクリス・クリストファーソンがうまかったし、ダニエル・クレイグまで危ない神経症的演技で魅せてくれます。

Ａブロディは、今までのイノセントなキャラのままでイマイチ面白みがなかったが演技はうまい。キーラ・ナイトレイも「ドミノ」を引きずったような擦りきれた女。ベッドシーンで裸もあったけど見えたような見えないような・・。このまま入れ乳などせずに貧乳で頑張ってください。