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[コメント] 終戦のエンペラー(2012/日=米)

作り上げられた美談を追認する危うさを孕んだ映画だと思います。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







苦悩するマシュー・フォックス(相変わらず主役のオーラなし。。)を見ていて「LOST」の最終回を見ているような錯覚に陥り、ラストのマッカーサーとヒロヒトのくだりでは不覚にもウルウルしてしまいました。

感動していて2点かよ!とツッコまれそうですが、これが映画のマジックの危うさです。 陸軍の暴走と、ご英断で戦争を終結させた平和主義者・昭和天皇という手垢のついた図式に、オリエンタリズムあふれる日本情緒の映像美と悲恋を盛り込んだ紛う事なき正統ハリウッドムービー。史実にフィクションを混ぜ込んであるのがよけいに始末が悪い。

2人の直接会談は、写真撮影まであったのだから、事前に側近同士で落としどころが決められていたはずで、“朕が全責任を負う”的な発言で互いを認め合う美談は信じがたいです。

フィクションにしても、相手を利用しようとする虚々実々の駆け引きが見たかったのですが、日米双方のメンツが立つヌルい話にガッカリ。 「真珠の耳飾りの少女」でフェルメールそのままの構図と光線をパクったピーター・ウェバー。そのビジュアルには感嘆しましたが反してドラマは薄っぺら。今回もビジュアル先行な感じが否めません。脚本も自ら手がけてもっと作家性を出して欲しいです。

言い訳ですが、妻につきあって終戦記念日に観に行きました。かなり後悔しました。こんな浅い娯楽映画にコロリとやられた反省も含めて、「ゆきゆきて、神軍」あたりをもう一度見直してみようと思います。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)coomin[*] 寒山

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