[コメント] プライベート・ライアン(1998/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
昔、映画館で見たのに、ほとんどストーリー忘れていた。つか戦闘場面の迫力のスゴさに圧倒されてたのだろう。アパムが逃がしたドイツ兵を結局最後で撃ち殺すとこなんか全然わかってなかったもん。単にオレがバカなだけか。
戦闘場面の迫力はテレビで見ても凄いが、死体の山をどれだけ築いてもスピルバーグの底の浅いヒューマニストとしての限界が見えてしまう。
最初と最後で、戦争に感傷を持ちこんだのは鼻持ちならないし、ラストで橋を死守してしまったのもダメ。(援軍が間に合ったおかげだが)あれだけ無意味に兵隊殺しまくっておきながら、トム・ハンクスの死には意味を持たせて敬礼とアメリカ国旗までつけ加えて美化してしまうご丁寧な演出。とにかく役者がセリフをしゃべり出すとどんどん偽善的な展開になってしまう。仲間の死にエドワード・バーンズがブチ切れても結局はみんなで墓堀りしちゃうとこに端的に現れている。
それからジョン・ウィリアムスの音楽。最悪。場違いも甚だしい。音楽まったくなしでも良かった。長いおつきあいとはいえ、どんな映画でもタッグ組むことないでしょ。
これなら戦闘場面だけで良かったよ。ハンドカメラを駆使した戦闘場面は臨場感すごいし、映像の色あいの美しさも特筆もの。この監督にこのカメラはもったいない。
前半、小隊が教会で休む場面だけスタジオぽいセットのライティングで安っぽいハリウッド映画のようになっていた。トム・ハンクスをはじめとしてアップの連続。皮肉にも、このかったるい人物描写のシーンがいちばんスピルバーグぽく思えた。
あーあ、こんなの見ちゃったらやっぱり口直しに「地獄の黙示録」また見に行くしかないかも・・。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。