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[コメント] 暗殺の森(1970/伊=仏=独)

ストラーロの映像美だけがひとり歩きしてしまったかんじ。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







特に森の暗殺シーンの止まった画のときの構図と色合いはゾクッとしてしまった。

だが、見る前に持っていた退廃的で重厚なイメージよりは、ヌーヴェルぽい軽妙さも窺えた。中盤で早いテンポのポップな画つなぎが見られたし、ステファニア・サンドレッリの道化のようなキャラは、ドミニク・サンダより印象に残った。

トランティニャンが、他の誰ともきっちりと対峙しておらず、ケジメをつけぬまま終わってしまうのでカタルシスが無い。暗殺シーンからさらに10分以上あって間延びするし。しかしこのあたりが逆に監督の狙いなのかも。そう思うとストラーロの重厚な映像、特に陰影の効いたライティングはミスマッチなのかもと思えた。

原色使いの冴えるラウール・クタールと組んでみたらまったく違った魅力の映画ができるんじゃなかろうか。やっぱヌーヴェル引きずってるね、見てる方も。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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