[コメント] 男はつらいよ(1969/日)
原点。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ギネスブックに載ってしまった、国民的映画と呼ばれるこのシリーズのエキスというか、そのおいしい所のエッセンスがすべてこの第一作に詰まっている。誕生時の車寅次郎という主人公のキャラクターがそのままで、作品としては一時間三十分そこそこの短尺ながらまったく無駄というものがない。さくらは未婚のOLである。博はタコ社長の工場の二階に下宿している。彼らはこの第一作で産み出され、その後子供の誕生など人生の節目節目を超えて成長していった。その一方、寅さんというキャラクターは演じる俳優、渥美清の肉体的衰えから来る、後年の「悟った紳士」へと変ぼうしていった点を除いてまったく変わらない、完成されたキャラクターであるという点も驚きである。これほどの長きにわたって愛されたシリーズは、根幹がしっかりしていたということ。それと個人的には、初代のおいちゃんを演じた森川信の味が素晴らしい。彼は比較的若くして亡くなってしまうのだが、彼と寅さんの大喧嘩は初期のこのシリーズの見せ場だった。
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