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[コメント] ふたり(1991/日)

兎に角おっとりとした石田ひかりが素晴らしい。否々、中嶋朋子も最高傑作と言える素晴らしさだ。何気に友人役の柴山智加が後半驚くべき魅力を見せ、そんな訳はない尾美としのりも今回は嫌味が少ない。☆4.6点。
死ぬまでシネマ

要らなかったのは竹中直人位では無いだろうか。それだって「居なきゃいいのに!」という程の嫌味はない。両親の富司純子岸部一徳といい、ひとり一人が素晴らしい大林世界を築いている。その他の一見無駄にも思える個性的なキャスト達が、その人物それぞれの物語を言外に奏でている。

こうした受け取り方はこちらの問題にも感じる。正直この作品は20年前に観るべきだった。そして20年前なら、こんな高評価は決して付けなかっただろう。姉を思う気持ち、妹を思う気持ち、子を思う気持ち、友を思う気持ち、恋人に憧れる気持ち、それらが全て、この世を慈しむ気持ちに収斂してゆく。そんな年齢になってしまったし、そんな映画であり、監督なのだ。

主演の2人で言えば、その強さに心を打たれる。石田ひかりは姉=ゆり子とまさに映画の様な姉妹関係なのではないかと思わせる(勿論全然違う所もあるだろうが)。石田ゆり子の姉=千津子も是非観たかったが、そこに中嶋朋子を持ってきたのは奇跡だと思う。富司純子と並んだ所ではそれだけで溜め息が出た。彼女達の強さから来る優しさは、決して作りものの演技で得られるものではない。

     ◆     ◆     ◆

最後に、監督と久石 譲の共作による主題歌「草の想い」は、久石が音楽を担当したNHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体」('89)のメインテーマである「The INNERS 〜遥かなる時間の彼方へ」がベースになっていると思う。(追記:『ハウルの動く城』('04)のテーマ曲「人生のメリーゴーランド」にも引用されているのでは?との情報を頂きました。追記2:更に頂いた情報によると、久石は「草の想い」のインスト版をアルバム「My Lost City」('92)内の「Two of Us」として発表しており、ファンには旧知だそう。成る程、どれも名曲ですね。全く関係ないが坂本龍一によるNHK大河ドラマ「八重の桜」('13)のメインテーマも、坂本によるCM曲「energy flow」('99)が基になってると思う。名曲です)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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