コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 菊豆〈チュイトウ〉(1990/日=中国)

つくづく恐ろしいひとだ、張芸謀。☆3.8点。
死ぬまでシネマ

鞏俐(コン=リー)が演らなかったらトンデモ肝っ玉オバサンじゃん!と思って一拍、…鞏俐だから映画になる、それの何処がいけない?

張芸謀(チャン=イーモウ)は役者に寄り掛かる比重、自らの構図〈画〉で勝負する比重、その場の奇跡に任せる比重、…を自由自在に使いこなす「映画の申し児」だ。こんな人が中国にいる事が凄いのか、中国だから出現したのか。

西洋古典悲劇を思わせるというコメントを散見した。確かに言われればそうした舞台がかった構造をしていたが、視ている時にはぼくは西洋を全く意識しなかった。寧ろ中国アジアの大地の中に人間の隠された物語がある事に、非西洋的な感慨を持っていたくらいだ。こうした処にもこの監督の巧さを超えた表現の「深さ」があるのだと思う。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。