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[コメント] アレキサンダー(2004/米=英=独=オランダ)

最初コリン=ファレルなんぞに偉大なるギリシャ(マケドニア)の大王が演れる筈があろうかと思っていたが、…。☆3.9点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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映画が進むにつれ、ファレルの大きな目と強い眉が、イッソスの戦いを描いたポンペイの壁画にあるアレクサンドロスの肖像に重なって来たから不思議だ。

ガウガメラ(アルベラ)の戦いまでが早急な気がしたが、その後も話はてんこ盛りであったので仕方ないだろう。(後でまた過去の場面が出てきたし)

ひとつ残念な事を言うと、古代ギリシャ特有の陣形である密集方陣(ファランクス)の描き方が不充分だった。これが敵に与えるプレッシャーと実際の打撃力をもっと表現できたら、大王の強さが伝わったのではないか。この点では『ロードオブザリング』でのヘルム峡谷防衛戦などにおけるウルク=ハイの軍隊の方が、表現で上回っていた。逆にインド攻略戦におけるの脅威は、CGを露骨に使わずとも(『LOTR』での)対ハラドリム(南方蛮族)戦におけるムマキル=オリファントと同等の迫力が出せており感心した。

征服と略奪が目的の部下たちを前に、世界の果てまでの平定と統治を夢見た大王。成る程、世界征服なんぞ実際には無理だ(やるのも無理だしその後に統治できない)という事がよく解った映画であった。(だからこそ一時でも統治した大王や成吉思汗が偉大とされるのだろう。) しかしアレクサンドロス大王もアリストテレスなんぞに東の果ての夢を吹き込まれなければ、ローマ帝国以前に西=欧州の肥沃な大地を平らげる事が出来たんではなかろうかね。

(評価:★4)

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