例えば御前会議における天皇の判断・発言であるとか、侍従とのやり取りであるとか、マッカーサーとの会見であるとか、実際にはもっと違ったものであったと思う。或いは少なくともああではない部分があったと思う。しかしこの映画で描くべきはそうした歴史的・政治的な天皇ではなく、ヒロヒト個人の心象であり、それを描く為の画面なのだから実際と違っていてもいいのだと思われる。(彼が本当に丸で子供っぽかったかどうかは判らないが、子供っぽいところもあっただろう)

だからこれは日本のような国の天皇のような君主の物語り、と解釈してもいいのだと思う。何れにしてもこうした作業を誰かがしなければならなかったのだ。