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[コメント] 生きてるものはいないのか(2011/日)

It's only the end of the world. ☆3.2点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いつも「生きる意味」ギリギリの所で演技している様な染谷君には、最後は「たかが世界の終わりだよ」と呟いて欲しかった。ポッケから何か文庫本でも落とし乍ら。

     ◆   ◆   ◆

何処で誰が死ぬのか、物語的には重要な訳だが、それが物語になっては物語が破綻する。フラットな死と不自然なその受容は、理不尽な現実の形容表現として佳かったと思う。

しかしあの学生演劇もその一手だと言うのなら勘弁して欲しい。監督はこれで何作目ですか。

この映画では何故ひとは死んでゆくのか。理性的に考えると矢張り致死性のウィルス感染だが、よく見ると彼らの死に方には多少の違いがある。基本的には苦しんで死ぬ様なので恐らく(古い表現だが)心臓麻痺なんだろうが、見た目には大きな変化はないし。気になるのは、二流アイドルの彼(羽染達也)の肛門からは何が出てきていたのか。

この映画ではひとは2つの方法で死んでいる。謎の奇病か、殺されるか、だ。二階堂ふみ似のミキ(田中こなつ)は明らかにキーパンソンであり、彼女の怨嗟がそもそもの原因である可能性はある(であればホラーだ)。生きる望みを打砕かれていた彼女は、周囲の崩壊、或いは溶解を見て海を目指す。その過程で彼女は2人の女性を殺害するが、何れも生きる望みを放棄した人間だった。そして彼女はケイスケ(染谷翔太)に心を開き、絶命する。

だから生き残ったケイスケにはサラリとこう呟いて欲しかった。「Juste la fin du Monde.」

(評価:★3)

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