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[コメント] 11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011/日)

しかし矢張り井浦 新では三島由紀夫に見えん…。☆3.8点。
死ぬまでシネマ

俺は三島由紀夫はよく知らんのです。サンデー毎日のグラフ頁に転がってた首でしか知らんのです。それでも、だ。

「君の三島を演じたらいい」 ま、そう言いますよな。今年の大河ドラマでも演出は松ケンにそう言った筈だ。しかし、イデオロギーでなく時代だった、という様な描き方をしているよな、今回。ARATAだけでなく地曵 豪とかタモト清嵐とかを使い回す事で更にそれを強調してるよな。それなら三島の身体性をもっと意識しなくちゃいかんのじゃないのか? 俺なら主役には完全なビルドアップを義務づけるし、あんなショボい訓練シーンは演らせない。

顔は変えられないのだから、そもそも主役は彼には演らせないが、もし彼ならばつけ眉でもさせる。眉を剃って書き眉するんだからつけ眉くらいいいだろうが。三島の身体性を抜きにしていいのか? 幾ら凝った演技をしようが、魂が入る器が無い。その器が今回腹を割り、首を刎ね落とすんだろうが。

実は若松孝二の映画に少し不満がある。どうにも淡白さを感じるのだ。『実録・連合赤軍』の時には「一般映画として成立させるにはこの方法しかなかったのかも知れない」と考えたのだが、そうでもないのかも知れない。意外に彼の映画は上手い。編集もカットも映画として観られる(失礼!)。しかしその上手さが逆に何とも言えない苛立ちに繋がる。若松自身はどうなってるんだ? 彼はこの事態にどう激突したんだろう?

イデオロギーでなく時代だったのかも知れない。この映画の描き方程三島が左翼運動の動きに右往左往していたとは思えないが、それでもそういった側面は少なくなかったのだろう。しかし「彼は何を残したのか?」「…」 …って、そりゃそれ言ったら俺たち宇宙のゴミじゃないか。2011年にその総括の仕方は可哀想だろう。

いや寧ろ、人間は宇宙のゴミじゃねぇかってか? で、そのスタンスで三島とか連合赤軍を撮るの?

「俺は元々左でも右でもないんだよ」「若者を信じている、それだけが一貫した監督の…」 ふ〜ん。

(評価:★3)

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