自分に正直に言うと、沢尻エリカはスゴく美人だと思う。しかし<麗しい>というよりかなり<可愛い>の軸に近い美人だから、この映画の様な役柄に全く向いてない顔だと思う。実際の本人の性格がまんまこの感じだと皆(本人も?)思っているようだからこうなったのだろうが…。兎も角、画面が全然それっぽくないので居心地が悪い事この上ない。

だから沢尻本人に言う事なのだが、「何故自分のキャラを見誤ってしまったのだろうか。あなたは素ッピンで可憐な役を演じていれば百倍輝いていたひとなのですよ。」言っても無駄だろうけど。それと大きな可能性として、周囲の外道・クズ人間たちがしゃぶりついて喰いモノにしたんでしょうな。

半分以上自業自得とは言え、こうした映画の中で奇跡的な徒花が咲かないとも限らない。俺は申し訳ないが結構『さくらん』('07/日)を気に入った人間なので、一応この映画も期待を残して観に行ってみた。

…酷かったね。沢尻の演技は上手くはないが、変にけなげで、それが却って居心地悪さを増長して気持ちが悪くなった。『ブラックスワン』('10/米)のような化けた映画には全くならなかった。そりゃそうか。あっちとはそれまでの努力が違い過ぎる。

今回の沢尻の無謀で悲惨な挑戦と、その無惨な結果は、侘び寂びという点では微かに胸の底を打つところもあった。それと同時に「なぜお前じゃないんだ」と別の或る女優への怒りが噴上げて来るのだったが、それは沢尻とは関係ないから、ここでは言わないでおこう。

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ただ、観客席を埋め尽くしていた若い女の子たちがどういう感想を抱いたのかが気になる。俺とは全く違う感想を抱いたであろう全国の女子諸君の心身に、悪影響が無い事を祈るばかりだ。