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[コメント] 竹取物語(1987/日)

竹取物語は、権力を笠に着て女を漁る者を嗤い、帝の武力を赤児の如く遇らう物語だ。人間の愚かさを儚さに重ねて描く物語だ。その精神は生きている。☆3.7点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
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今回視直してみて、竹取物語それ自体に大いなる魅力があると改めて感じた。つい100年前迄は、女性には政治的権利はおろか結婚の自由さえなかった。1000年もの昔に、女性の立場からこれ程の物語が語られていようとは。それが我が国に於ける物語の祖(おや)であるとは。

三船敏郎翁の話し口が地井武男に似ているのに驚いた。加耶(沢口靖子)が昇天する時の「クリオネ天女」といい、『かぐや姫の物語』公開時('13年)はあんなに無視され否定されていた本作だが、意外にも尊重され参考にされていたんだなぁと感慨深い。

沢口靖子の美しさ、愛らしさを教えられたのはNHK大河の「秀吉」('96年)だ。鈍臭い演技ではあるのだが、心も美しい人だと思う。だからこその抜擢と思うが、この映画では魅力が充分に引き出せていないのが残念だ。(しかし大河より9年も若いのか!)

「<かぐや姫>は第三種接近遭遇だ!」というのは子供の頃から言われていた事で、「ウルトラマンA」で南 夕子(星 光子)が月に帰って行ったのは1972年10月の放映。今となっては本作ラストの表現を大いに支持するが、公開当時は『未知との遭遇』('77年)かよと馬鹿にしていたのも事実だ(『E.T.』が1982年で、どうしても二番、三番煎じに見えた)。

圧倒的な宇宙文明の飛来に、ただ呆然とするのみの平安人たち。別に魔力か催眠術に掛かったのでもなく、圧倒的なものの前に、ただ見送るしかないのだ。これが、正しい姿だと思う。

(評価:★3)

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