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[コメント] ドローン・オブ・ウォー(2014/米)

兵士の逡巡は中国・インドシナ戦線での日本軍の若者も沢山経験した。非人道的な命令と戦闘のストレスに連日晒される中で「壊れて行く」兵士も沢山いた事だろう。☆3.9点。
死ぬまでシネマ

この映画では非人道的な命令とその遂行、異常な極限を味わわされた兵士が、同じ日の内に平和な日常に帰宅する、それを繰り返すという二重の異常が行なわれている。(大陸戦線の日本兵と違って)家庭への帰還によって、逆に精神の平衡を取り戻す兵士もいるだろう。しかし今作の主人公の様に、それが次第に深いダメージを齎す事もあるに違いない。

アイ・イン・ザ・スカイ』(2015/英・南ア)のReviewで、シーチキンさんが本作を「CIAと米空軍だけという設定で、(中略)バンバン発射命令が下る物語であった」と書いておられたので、勝手に「ヒャッハー」なアメ礼賛映画かと思っていた。視始めるとこちらも切実な問題を描いていた。

遠方から隊を掩護するスナイパーは大昔から居る。遠くから攻撃出来る兵器があったら使いますか?と言うなら使って当たり前、と言うのもそれはそうだ。しかし「安全な殺戮」を、人間ならばおかしいと感じる。この矛盾は個人が現場で背負うべきではない。戦争が悪なのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ロープブレーク[*]

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