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[コメント] 武曲 MUKOKU(2017/日)

平和な日本に溢れるスポーツ廃人達へ。☆3.1点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







綾野 剛は秘技=夢幻突きだったので現実での状況は明示されてませんが、木刀乃至竹刀でも、突き垂れ(咽喉充て)無しに突きを入れたら、人は死にます。後で村上虹郎の頸にマーキングされてますが、頸椎損傷を免れたとしても喉頭を潰されたら手術は必至、声はもう出せないと思います。

小林 薫にはこんな役をもっとやって貰いたい。佳かったけど、もっと無理をして欲しかった。怖い父の方は佳かったけど、酒に全然負けてないんだよね。

この親子は明らかに「六三四の剣」の藤堂父子を模倣してるのだと思うけど、剣道に限らず、星一徹×飛雄馬以来、体操・レスリング・卓球…、平和な日本では血走った親の妄執がその子を翻弄する物語が後を絶たない。『クリード2』だって? ああ、まぁ。ただ母親がマンマ明子姉さんで障子に両手を添えてしな垂れているのは、コメディだろう。

実績を上げた親なら自分の存在証明を自分の分身に託そうとするのは、解る。解るがそれは妄執以外の何者でも無い。マスコミ以下世間も野次馬になっての妄執。実績のカケラも無い俺ですら、子供にそういう思いは、ある。近所にも道路で子供に延々と素振りさせている馬鹿親が、居る。子供の目に笑いは、無い。

綾野の肉体改造は大した事は無い(元々肉がつきにくい体質だろう)が、小林薫も柄本 明も、矢張り名の通った役者は体幹が出来てるなぁと感心。しかし藤堂父子の殺し合いに達するかは、どうか。寧ろ、父親も息子もソコソコ止まりのスポーツ被害者にした方が良かったのでは無いか?

少年時代を演じた彼の素振りと突きは、佳かった。

(評価:★3)

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