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[コメント] 空海―KU-KAI―美しき王妃の謎(2017/中国=日)

歪な程に力を入れた舞台美術は見事。映像は佳く複数回の観賞に堪えるが、冒頭部の悪印象と脚本の弱さが残念! ☆3.9点。
死ぬまでシネマ

日本版冒頭の解説と題名(タイトルデザイン)の陳腐さに驚いた。大金を掛けた映画であの安っぽさは何なんだ。(監督は日本版を全然把握してないのか?) 角川の責任かも知れないが、冒頭からコレは酷いし勿体無い。

しかし再見して画の素晴らしさには感心した。幻想シーン等は中世の宗教画のような毒々しい色使いで大仰な印象を与えるが、遠近感のある構図は素晴らしく、寧ろ映像だけを眺めていたくもなる。

     ◆     ◆     ◆

ドラマ部分としては、白楽天(=白居易)のホアン=シュアンが良い。彼の魅力で染谷将太の空海が俄然生きてくる。この2人でまた別の謎解きが観たくなる程だ。そして楊貴妃(チャン=ロンロン)の美しさ。フランス系台湾人との事で、成る程の麗しさだ。

バランスが悪いのは残りの人々。玄宗皇帝(チャン=ルーイー)は正直今ひとつだったし、彼と安禄山(ワン=デイ)の対決?シーンは笑えこそすれ「何なの?」だった。陳雲樵(チン=ハオ)も所々感心する演技ではあったが、春琴(キティ=チャン)とのペアはどうにも「おかしな夫婦」だった。白龍・丹龍ペアもしかり。阿部(阿部)は出番がある割には演技をさせて貰えない。原作ではどうなのか知らないが、松坂慶子(白玲)と火野正平(大師)は、正直余り存在意義が無い。

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先に観た老母が「<空海>なんて題名詐欺だったよ、ちっとも出てやしない。化け猫ばっかり出て来てさ」とか言っていたのでマジで?と心配したけど、空海ちゃんと仕事してましたよ! さては寝てたか、呆けたか? まぁ確かに、中国題は『妖猫伝』だったんですよー。

(評価:★4)

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