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[コメント] ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(2018/米)

政府の最高機密文書を<不幸にも>入手してしまった社主(ストリープ)の懊悩を描く様は、ハッキリ言って鷹揚で退屈だ。しかし実話である事の峻厳さが、我々の周りで起きている峻厳な実態を浮かび上がらせる。☆3.7点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
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その後も「スノーデン文書」「パナマ文書」等があったが、それらの全容が解明されたとは言い難いようだ。

日本でも「沖縄返還協定文書」事件や「警視庁国際テロ情報」の流出事件が発生している。こうした時、必ず国家・為政者の側に立ち、「国の為にならない事はするな!」と叫ぶ者が出てくる。マスコミはもう国家行政機関や内閣周辺の連中を「国<クニ>」と呼ぶのは止めたらどうか。「クニが勝訴」だの「クニを訴える/クニから訴えられる」だの、公僕の集団に過ぎない。(本作中にも「我こそが<国家>」と言わんばかりの圧力に呆れた、という発言が出てくる)

屡々機能不全が心配される三権分立だが、司法権が健全に行使される事が如何に重要な事かが解る。

「もり・かけ問題」から続く「桜を観る会問題」は、他国には恥ずかしくてとても見せられない、権力者の「公共財の私物化」の実態を明らかにした。スケールが小さくて申し訳なくなるが、その死に物狂いな証拠隠滅の有様は決して他国の例に劣らぬ凄まじさだった。中心人物は、足切り出来る人物はどんどん切り捨て、逆に切り捨てられない人物は後生大事に抱え続ける。そして予想通り、<憤慨>の声が上がった。

「いつまで<桜の会>とか騒いでんだよ、そんな暇ないだろう! 首相にはもっとやる事があるのに、こいつら何時迄邪魔してるんだ!!」

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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