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[コメント] マスカレード・ホテル(2018/日)

詰まらんっ! グランドホテル形式の食傷を乗越える為の序盤が散々で、挽回のしようもなかった。★2.5点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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兎も角、余計な事を考えさせる小日向文世はミスキャスト。碌なミスリードにもならず、どうしてこんな人物を置いたのか。

ホテルものは、食傷気味であると同時に本来は「待ってました!」でもある筈なのだ。『ポセイドンアドベンチャー』のようにハコのデカさと細部の精密さでまず観客を魅了し、続いて多数の登場人物を捌いて更に魅せる、というのが定番というものだが、<役>以上に<役者>が濃すぎる長澤木村両名が最初から出しゃばるものだから、全然物語に入っていけない。2人のファンでなければ尾いていけないと思う。

     ◆     ◆     ◆

序盤が大切なので、如何にガッカリして逝ったかを述べる。まず実質的に或るホテルに殺人予告がなされたとして、それを知らされたホテルはどうして営業を休止しないのか。火災や集団食中毒しかり、人命優先でなくとも信用を考えれば全ての客を追い出す筈である(信じたのならば)。そこを納得させる仕掛けが用意されてない。捜査員はどうして客としてホテルに泊まらずに従業員として潜入するのか。パブリックスペースに大量の監視カメラを配置し、捜査員は客から見えないバックヤードにでも配置すれば良いではないか。納得させる仕掛けが用意されてない。非現実を強要する極めて舞台的な展開で、三谷作品でもなければ実写映画としては観るに堪えない。

捜査会議での説明口調や、長澤の「って…」で終わって別人物の台詞を待つ場面などにゲンナリした。舞台的なハナシを実写映画でやる要点が解っていない。

松たか子は出てきた瞬間に犯人に決まってる…、ではなくて、松は出しちゃダメ。彼女がどんな名演をしても全く無意味な悲惨。最後の会食ですけど、絶対に自分の職場でやりません。別ホテルにして下さい(支配人のご招待というなら、見送り場面でなく寧ろあの場に石橋 凌を出すべきだった)。でもどうせ別ホテルになんか出来ないだろ、あの場面の必要性に覚悟がないからだよ。

     ◆     ◆     ◆

放言ついでに私が考えた結末を。X3(3つ目の殺人事件)の発生時刻に(法医学的に)断定ミスがあり、発生から遺体発見迄に間がある事が判った。すると1日ズレる毎に経度が1度ずつ(=東西90km程度)ズレてしまうので、実はX4の現場は全く別の場所だったとさ(警察のとんだ勘違い)、という結末です。現実という<予想外の悲喜劇>を描いてこその実写映画、お粗末!

(評価:★2)

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