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[コメント] アウシュヴィッツ・レポート(2020/スロバキア=チェコ=独=ポーランド)

ドキュメンタリーの方が良かったのでは無いだろうか。<想像力を持つという事> ☆3.7点。
死ぬまでシネマ

堅実で完成度は高いと思わせながら、中々心が動かない自分に却って困惑した。ナチスによるユダヤ人絶滅収容所。有名なアンネ=フランクの家族の物語から始まり、これ迄も幾つもの物語、何人もの人々の悲劇を学んできた。アウシュビッツに関する知識は我々の世代にとっては、全世界的な常識と言ってもいいかも知れない。そうであっても、いきなり脱走準備から始まるこの映画の展開は、観る側にとって良くない様な気がした。人間が家畜の様に押し込められ、屠殺されてゆく光景。そこに至る<霹靂>が、観客には必要なのではないか。

観客に想像させる事。感じさせる事。そこが重要だ。収容所に対する知識の少ない若い世代は、どの様に観たのだろうか。

もう一つ、この映画は称揚と鎮魂が目的では無いだろう。今尚、告発と警鐘が目的である筈だ。とするなら我々は想像しなければならない。中国の蒙古族がどうなっているか、香港は、シリアは、ミャンマーは。米軍が逃げ出した後のアフガニスタンがどうなってゆくかを、見続けなければならない。

(評価:★3)

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