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[コメント] 大河のうた(1956/インド)

日本でも嘗て描かれた、若者の旅立ち、親子のすれ違い、別れ。それがインドのスケールで描かれている。☆3.7点。
死ぬまでシネマ

映画としては『大地のうた』の方が優れていたが、退屈でないのはこちらの方。長女の死をきっかけに、ド田舎から大河の許に一家が越して来た所から物語は始まるが、ガンガー河岸の石畳はまさに人間の歴史が作り出した都市の象徴。所が後半成長した少年が出て行くカルカッタはそれ以上の現代の大都市。親類を頼り母子が流れ着いた別の田舎を挟んで、この2つの「古代都市x現代都市」も印象的だ。(余談だが、青年の頃まさにこの2つの街を旅した自分にとっては、とても懐かしい光景だった)

大地のうた』は娘のはかない生涯の物語と言えたが、『大地のうた』『大河のうた』は薄倖の母物語 前後編とも言える。人付き合いが得意でなく、やや険がキツいお母さんは、溺愛した息子の成長で心を痛める事になる。その辺りで繰り返される表現が、実に「日本的」なのに驚く。(蛇足だが、繰り返し隣人の親切・助け合いの表現が出てくるが、すぐモノを掠めたりギラギラしてる印象のインドの方々も、隣人には親切なのだろうか…)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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