最初は「けっ、美男美女ばっか集まってあり得ねー」て斜に構えて見てたんだけどさ、次第におばぁのやさしい口調に解されて、しまいにはそんなの「なんくるないさー」となっていた。

ずいぶん昔になるが、俺がバイトをしていたときに大森南朋が演じたキャラみたいな先輩がいた。すごく嫌なヤツという記憶が呼び起こされてなんとも言えない気持ちになった。大森南朋は本当に役になりきるの上手いな。彼もそういう人間にかつて出会っていたのだろうかと思う。 とにかくあのキャラ、当時は嫌いという思いだけしかなかったのだが、深呼吸したらちょっとは違った見方も出来たのかも知れない。そんな風に思って最後はちょっとそのバイト時代の先輩にもう一度会ってみたいとさえ思っていた。

この先いろいろなことがあると思うけど、まずは深呼吸して、なんくるないさーって呟いてみようかな。 なんか良いことがあるような気がするよ。

そんな気持ちにさせてくれる不思議な力を持った良い映画です。