[コメント] 仮面の中のアリア(1988/ベルギー)
音楽と映像の幸せな邂逅。木漏れ日とマーラーの取り合わせがなんと美しい。。。そして血を沸かし魂を揺さぶる本物の音楽。クラシック音楽映画の至宝。
ダライラックが弟子を鍛えるシーンは、ひとつひとつ理にかなっている。歌をすばらしくするのは愛の力、これがこの映画のテーマなのだ。(最新の大脳生理学も証明している。)
同じ時間芸術である音楽とドラマと映像とが一体となり、その相乗作用で我々の血を沸かし、魂を揺さぶる。
全編を支配するマーラーの4番。素で聞けばちょっと気恥ずかしい曲も、この映像と一緒に聞けば、まあいいかという気にさせられる。
ソフィーが窓の外で聞くシューマン。シューマンの歌曲がこんなに熱かったとは。
ダライラックが一人歌うシューベルト。文字通りの癒しの音楽。
コンクールでソフィーが歌うヴェルディ。それを見ている聴衆が思わずほほえむ。すばらしい歌は、それだけで聞く人をにこにこさせてしまう。
そして、ホセ・ファン・ダム自身が歌う最後のマーラー。見る人を音楽の力で涙させ、真の感動をもたらす。
一流の音楽家による本物の音楽。そして、それが紡ぎ出す至福の時!クラシック好きには心の宝というべき映画。NHKさん、ハイビジョンでやってよ!
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