[コメント] いまを生きる(1989/米)
こんな先生いたよ、本当にいた!
授業中に自作の小説を読んで聞かせる英語の先生、人生哲学の講釈で過ごす数学の先生、他の教師の授業を見学しようと言い出す体育の先生、教科書の1段落に1時間かける国語の先生。。。
30年前、母校にはこんな先生たちがいた。みんな多かれ少なかれこんな先生だった。強烈な個性を発揮し、生徒の殻を破る名物先生が、何人もいた。
禁止されている下駄を履いて学校にやってきたやつがいた。それをある先生が見咎めて、
「こら、何で下駄をはいてきとるんか」
通りかかった別の先生が笑いながら、
「水虫ですと言え」
するとそいつは、
「背が高う見えます」そいつの背は低かった。
そこにいた全員が爆笑し、そいつは無罪放免となった。半人前の高校生でも、人格を認めてもらえていた。校則なんて誰も尊重してなかったけど、秩序は保たれていた。
偏差値の高い指折りの進学校のくせに、現役合格は少なかった。生徒たちは3年間の自由を謳歌し、浪人生活であわてて帳尻を合わせていい大学へ進んでいた。自由と裏腹の自己責任。生徒たちはものすごく大きなものを学んでいた。
だからこの映画を見て、キーティングを見て、その授業が懐かしくてうれしかった。君らも影響されたね、そして成長したよね。キーティングは君らの心の中にしっかりと足跡を残した。その価値は莫大だ。
。。。そして心の閉ざされたものは、もっとも大切なものを失った。
悲しいけどうれしい映画。最後の笑顔は希望の笑み。少年たちが育ってくれたことに対する感謝。
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