[コメント] レッズ(1981/米)
よくぞアメリカ人がこういう映画を作ったなあ、と思います。なかなかこの種の映画って評価が分かれてコメントしにくいよね。まあ個々に思いがあれば良いのではないでしょうか?
共産主義をアメリカで描く事の難しさは言うまでもありませんが、とりあえずこの年アカデミー賞にノミネートされたことは画期的だった。ノミネートされるにふさわしい映画でもあった。
アカデミー賞の歴史を見るとチャップリンにしてもエリア・カザンにしても本人の明確な意思表示とイデオロギーの偏向があったかどうかは本人以外誰も知らないのに、その事がジャーナリズムの餌食になることが多々あったようだ。
そして、映画(=文化)の中では、この見えない闘争があることも事実である。
後年エリア・カザンがアカデミー特別賞を受賞したシーンを思い起こす。カザンが大勢の観客の拍手に迎えられる中ウォーレン・ベイティはみじろぎもせず椅子に座ったままでした。
この『レッズ』という映画は主義の映画ではなく、歴史のある一瞬を描いた映画だ。にもかかわらずベイティはカザンを非難する。ちょっと違うだろう…と思う部分もあるが、原作の膨大なドラマ性を見事に描いていることに違いはない。
文化に表も裏もない。あとはいずれの立場も歴史が物語ってくれるだろう。
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