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[コメント] 荒木又右エ門 決闘鍵屋の辻(1952/日)

出だしも良い、そしてこのジリジリする緊張感がたまらなく良い。この時代でこそ撮影できた映画だし、出演者もいわゆる黒澤組の常連で楽しめる。
chokobo

シナリオはもともと読んでいたが、実際の映像を目の当たりにするとなかなか工夫が施されていて面白い。これらの黒澤明脚本となる映画は、黒澤が助監督の時代や不遇な時代に連続して書かれたものである。ここでも緻密な時代背景と現実的な描写が楽しめる。

この映画は前段チャンバラを見せておいて、実際の荒木又右衛門とその助太刀の実像に迫ろうとしている。

黒澤明がこの前年に作った『羅生門』や後年大ヒットとなった『七人の侍』に至るまでのリアリズムをここでも堪能できることになる。

大げさに言うと、これらの一連の作品で日本の時代劇は大きく変わった。時代劇というジャンルにリアリズムを投入したのはほかならぬ黒澤明であった。このシナリオでもそのことを十分に理解できることになる。

(評価:★4)

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