[コメント] X―MEN ファイナル ディシジョン(2006/米=英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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世界各国で核兵器を持つ国を考えるとこの映画の持つ裏にある意味が見出されるような気がする。
北朝鮮の核開発疑惑から始まって、日本の周辺危機が新聞を賑わせるようになったようだが、実はインドにしてもパキスタンにしても核兵器を保有している。イスラエルもだ。
一見してこれは機械的な話のようにも思えるが、冷静に考えると宗教の問題も重なってくる。
何しろ最初に核を保有した国はアメリカ合衆国である。
そのアメリカからこの映画が作られたということろに意味がある。マイケル・ムーアの一連の作品もそうだが、アメリカにはおのずから自国を批判できる能力を持っている。そしてその力を抑制しようとする力も当然のように働く。
これらの事象をこの映画に置き換えると大変楽しい。(不謹慎だが)
ミュータントという存在が人類に良い結果をもたらすのか、それともその存在そのものが独り歩きするものなのか。いずれかによって、人類にもたらされる影響は大きく異なってくるだろう。
この映画の冒頭でプロフェッサー(パトリック・スチュワート)とマグニートー(イアン・マッケラン)がともに幼き日のジーン・グレイに会いに行くシーンは象徴的だ。彼ら二人は対立軸となってこのシリーズをつかさどっているのだが、最初は同じミュータントとして同じ目的のもとに活動をともにしている。
しかし、このシリーズの最初で語られるのだが、人類と共存するべきとする考えと、ミュータントが人類を支配するべきとする考えが離反してゆく。
ここからは宗教的な対立である。
これ以上長く哲学を並べることはしないが、これらの比較をしてみても、この映画の奥行を感じることができる。大変よくできた作品であった。
アクションとしても素晴らしいし、ドラマとしても楽しめる。面白かった。
最後のシーンで、この映画の今後を物語るあたりも楽しめる。
このシリーズは形を変えて続くのか・・・?
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