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[コメント] 16ブロック(2006/米=独)

B級『隠し砦の三悪人』。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







老刑事が収監された容疑者を護送する、というだけのドラマですが、これだけ盛り上げて面白くできるのは、B級として割り切るリチャード・ドナー監督の技と、今回に限っては、この類のドラマを大得意とするブルース・ウィリスの力量が見事に折り重なってできていると思います。

逃げる二人に立ちはだかるのは、同じ刑事の古い同僚。内部告発を封じるために、容疑者を葬り去ろうと必死に二人を追い詰めます。

この関係が黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』を思い起こさせました。

ただ、やはり「こんなことないだろうな」ということと、16ブロック進むのに、こんなに遠回りしないで「タクシーに最初から乗ればいいじゃん」という素朴な思いが残ります。(NYのことはわかりませんけどな)

そもそも、こんな安易に護送できるのか?というのも疑問です。検察の大陪審に運ぶのに刑事1人というのは、あまりにも安易。

ということで、現実味がない部分がたくさんあるのはご愛嬌ですが、とにかくB級として徹している点で評価できます。

それから、アクションシーンはさすがと思わせる展開が見ものですね。

DVDで拝見しましたが、2つのエンディングがあるのはなかなかでした。

個人的には主人公が亡くなるシーンの方が良いとは思いますが、同僚の刑事が改心してしまうというのは、少しありきたりな気がします。

護送される黒人も大変うっとうしいし、あまり気持ちよくありませんでした。 (これは好き嫌いかもしれませんけどね)

2010/01/03(自宅)

(評価:★3)

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