[コメント] 麦の穂をゆらす風(2006/英=アイルランド=独=伊=スペイン=仏)
見てはいけない映画だったかもしれない。5点だ!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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矛盾を覚悟でコメントするが、これほど無残でこれほど救いのないこれほど辛い映画はなかろう。ポランスキーの『戦場のピアニスト』でさえ、最後の最後に救いがあった。宗教的にこれほど救いのない話を映画にして何の救いがあるというか?事実を事実として伝えようという意思がそれほど有益なことなのだろうか?それが私の問いかけだ。
IRAの話というと『デビル』などを思い出すが、強烈に印象的だったのが『クライングゲーム』だ。これは政治的な話ではないが、男女の引き合う愛情の本質的な部分に切り込んでいた。好きになることの恐怖だ。
しかし、それもこれも現代の話でしかない。我々はアイルランドの歴史を知らないし、IRAがなぜ未だに武装しているのかも知らない。ただ、この映画がパルムドールを獲得することで、世界にアイルランドの虐げられた歴史を知ることができたことに価値を見出そう。
同じ民族による殺し合い、疑心暗鬼、兄弟の戦い。こんな無益な戦いが外に内に行われた狂気の世界。狂気の時代。
つくずくイギリスという国が世界を乱した現況であることを知る。
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