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[コメント] 眉山(2007/日)

宮本信子さんの演技が冒頭から惹き付ける。あとは原作もイマイチ、映画としては愚作。犬童一心監督の了見の狭さだけが残る。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画は宮本信子さんの映画だ。彼女のセリフ、存在がこの映画のすべてを掌っている。だから、この映画の母親としての存在だけが、映画の主人公となっている。

父親との再会がクライマックスとなっているのだが、このシーンは迫力があった。

見る側は、この二人の再会について母親(宮本信子)がどのような反応をするか見守っている。それまでの彼女の人生、一人で生き抜いてきた彼女の人生や性格の積み重ねの中で、彼女がこの瞬間、30年ぶりの再会でどのような反応をするのか息を呑んで見守るのだ。そして彼女は余命幾許もない。そんな彼女が阿波踊りの観客席の両端に佇み、自分の愛した男と再会してどのような反応をするのか、それがこの映画の主体である。

宮本信子さんの瞳の向こう側にはいったい誰が見えたのだろう。それはもしかしたら伊丹十三監督だったかもしれない。その泰然とした姿に慟哭する。素晴らしい演技だった。

それだけでも見る価値がある。

あとはおまけだ。

(評価:★2)

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